【ART―写真展】H29.12/23(土)「マルク・リブーが見た日本の女性」@ライカギャラリー京都~「第18回京都写真展」@ギャラリーマロニエ
( ´ - ` ) 奈良の入江泰吉記念奈良市写真美術館(長いな、)から移動し、引き続き京都のギャラリーを鑑賞するのであった。入江泰吉記念奈良市写真美術館(長いな、)で魂が刺激され、他の展示を回ります。
京都で地下鉄に乗ると姉妹に会えます。
右の人はポケモンマスターでも目指しているのでしょうか。
萌えキャラを活用し続けてきた京都市交通局は、ついに萌えを超克し、よりフラットなアニメ的キャラクター観を手に入れた模様です。ぜったいコンサル入ってるだろ。太秦姉妹が薄暗い地下道で輝いています。どっちが姉かは記号的に解釈しましょう。ポケモンマスターでも目指しているのでしょうか。
京都の地下部は私が小学生の頃からあんまり雰囲気が変わっていません。全体的に薄汚れたメタリックさに覆われ、透明感や洗練さは一切なく、ただただ薄汚れているという、おんぼろ宇宙貨物船みたいな空間です。
うむ。廃れた近未来。
変わったのはキャラだけかな。
太秦姉妹の片割れ。青春っていいですね。
おい男性版もあるのか。彼は消防士で休日にチャリで市内を走り回るのが趣味らしい。他にも細かい設定があったが忘れました。平安神宮の鳥居に謎にマッチしている点は評価したい。コンサル入ってるのかな。
大阪市営地下鉄より10~20年分古く暗い雰囲気が立ち込め、熟成されていますね。旧時代の町役場のような世界で、だんだん希少になってきているのではないか。
祇園に行きたいので四条河原町で降ります。ホームの時点で通行人がわりと無秩序に突っ込んでくる。大阪・梅田よりも歩行が荒いです。荒いなー。おかまいなしに当たる。荒いなー。観光客のせいかな。地上に上がって解放されるかというと、それはそれでひどく、また前後左右から人が当たってくるので、泣くよね。荒いなー。
京都の街は、歩行者が歩けるスペースが街の規模に対して狭すぎるということを実感しました。河原町から祇園に向けての歩道で人と当たらずに歩くのは難しいです。土日だからだよね。
祇園の花見小路通は多国籍ストリートと化しており、日本語で道を尋ねても通用しないんではないだろうか。みな楽しそうに歩いていますが実は車道で、やや殺気のこもったタクシー等が「パーーーー」「プアーッ」と鳴らして突っ込んできます。殺気があります。全然平和ではない。
このどこかにライカギャラリー京都があり、上質な空間と家計を破綻させるライカのランナップが楽しいスポットです。
「マルク・リブーが見た日本の女性」というタイトルで、1950年代後期に来日して撮影したスナップのうち、女性が主役となっている作品が展示されています。十数点あり、どれも面白いし力があり、「スナップええなあ」「モノクロええなあ」と原初のよろこびを思い出し、モノクロフィルムのことを思い出したりします。
インスタマークがあったので多分会場内を撮って良かったんだと思いますが、「撮っていいのはこの机上と雑誌だけだ!」ということでしたらすいませんわかるか。
マガジンの最新号は、コブクロの小渕健太郎氏が大きく特集されており、先頭から10ページに渡ってライカカメラとのなれそめや付き合い、彼の日常景の作品などが掲載されています。多いな、ライカ界どうなっとんだろうかググってみると、2013年の「ライカX2 5296 Kentaro Kobuchi Edition」限定販売の企画ページがあるなど、小渕推しの様子です。
マルク・リブーは1950年代から活躍しているフランスの写真家で、ジャーナリストとして、マグナムの一員として活躍し、1975年からはマグナム会長を務めます。
以前KYOTOGRAPHIEでは、1958年のアラスカ、世界の果てのように凍結した町についての作品群が展示され、極限の営みを見せてもらいました。
マルク・リブーの写真は、日常景に潜む決定的瞬間をさりげなくキャッチしたもので、人の手足がうまく対角線を形成していたり、画面内に腕と手が3本同時に突き出されて写り込んだり、瞬間の奇跡があります。
また、さりげない人物スナップでも、当時の社会風俗、インフラ、ファッションが写り込んでいて、1958年の東京でブリジット・バルドーの映画が「総天然色」で上映されていたり、バスが丸かったり、ガールズバーの原型みたいなのがあったり、色々と面白い。
プリントのグレーが綺麗です。
フレームのシルバーが綺麗です。
マットの余白が綺麗です。
昔の大学の写真部などが目指していたものの明快な答えを見た気がします。全てが綺麗ですね、綺麗だからライカM6の中古価格の動向を調べたりしました。75歳を超えたら買うことを検討しようか。
1Fの店舗スペースでは、穴が開くほど商棚を見ても80万円とかするので帰りました。
ねこだよね。
祇園界隈は道が広かろうが狭かろうが地元の車が正義なので、全然おちついてあるけません。
人も多いしモジャーウジャー、ギャー、ワー。
夢を見ました。
夢。
祇園、四条界隈の時空の東西南北が失われて、内側へ折りたたまれて通行人がウジャーするという夢です。外国人が老舗のにしんそばを食ったらどういう感想を持つのかは聞いてみたい。
夢。
信号が赤に変わります。うるさいわい。
夜ですね。夜とか四条大橋も折りたたみましょう。
先斗町界隈に差し掛かると高瀬川沿いには、客引きなど商売の方々が暮らしを営んでおり、OSAKA・京橋とはまた違う傾倒ながら「この道は人様の仕事場」感があり、神経がおちつきません。このへんも折りたたんでウジャーーしたい。マロニエに行きたいだけなんだ。
店の照明で陰影はあるので街角スナップ撮影はたのしいかもしれません。暗いですよ。ISO1600で現像がんばりますか。わけの分からん飲食店、店内からこっちの動きを見られているけど、客のいない店に入る度胸ないんだよ。マロニエに行きたいだけなんだ。ギャラリー。あれは。大通りに出ないとだめ。
河原町通に出ると歩道が人の流れでイライラする、腎機能にも影響が出そうな、こう、波動がよろしくないです。あくせくしたいか! 私は影の形が綺麗だなあと思います、人に当たります、Windows10の使用感の話をして、あれは苛ついたと言いながら、今の苛立ちを添加しまして、おまえたちはこの歩道で幸せか! 影を見まして、また夢を見ます。影が人を喰う世界どす。
マロニエでは3~5階貸切って「第18回京都写真展」なる展示が開催。
各階でカラーが全く異なります。5階はめいめいの世界観のヴィジュアル自由表現。4階はフォト・ドキュメンタリー、強度・密度高し。3階はコラージュ、実験あり。
4階が必見です。皆さん4階を見ましょう。
金澤徹氏の作品が凄くて、海外の都市部の高層ビル群を俯瞰で撮っているのですが、10年近くに渡って1年おきに定点観測、グリッド上に淡々と展示。ビルが消えたり、また新しいビルが芽生え、いつの間にか中心勢力になっていたり、菌類の繁殖を見ているような微視的な世界と、都市という巨大なものが繰り広げる新陳代謝を視覚で味わえました。これはすごい。
牧ヒデアキ氏のなんちゃって身体、身体の錯誤というか、身近な雑品を組み合わせてヴェールをかぶせると、眼・脳が勝手に股間、性器をイメージするという、抗えない本能機能を再発見しました。脳ってバカなんでしょうかね??? これフィルムケースだって書いてあるのに脳は股間だと言うんです。人類の原点を見ました。
名前を控えていなかったので失念しましたが、万博公園の記録をスライドショーで液晶3台ぐらいで流し続けている展示、良かったです、表大が吹田でやってた頃に通っておられた大先輩。エキスポタワーの解体光景やエキスポの遊園地が淡々と記録されています。
言われて初めて思い出す。タワーあったなあ。
ニフレルやエキスポシティが出来たあたりで認識が止まってしまった。
はい。結論が出ました。
∴ テーマとコンセプトは必須
( ´ - ` ) 力を思い知った。
無秩序な店を眺めながら帰路につきます。
3つの点がそろうと人の顔に見える現象をシミュラクラ現象、類像現象と言うそうです。これはバス。
テーマがないと写真は自分を支える力を失って、ばらばらに飛び散ってしんでしまうということが分かりました。なんてこった。映像とはもっと自立できるものと思っていたが、フレームやテキストがないと、肉がはじけてどろどろになりますか。AKIRAやな。こまった。まだフラスコの中で育んでる方がましか。
完。