写遊百珍

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徳島阿波踊り2017年(8/12(土)初日)

徳島阿波踊り2017年(8/12(土)・初日)

 

今年のおぼんは、あわあわしました。

 

10年ぶりぐらい前に生の阿波踊りを観まして、あの熱狂を細胞が覚えていて疼いたのです。阿波踊りは伝統的だし、はんなり・おっとりしているという先入観がありましたが、非常に「攻め」に優れた集団舞で、すさまじい力があります。徳島市内が日本列島内にありながら別の国になります。

 

SFに見えてくるのはなぜだろう。宇宙開拓民の行進に見えました。編み笠の形状と角度、両手の角度、そして行進の整列が宇宙観をもたらします。

 

 16時半頃に徳島市内に在住の友人と落ち合い、市街地まで連れていってもらいます。

 

本当は市街地で宿をとれたら理想的だが、不可能です。みんなどうやって宿を確保してるんでしょうね。今夜のお宿は阿南の海沿いです(片道1時間)。わあい。

 

17:00 東新町商店街

けっこう人がいます。まだ鳴り物を鳴らしたり踊ったりしている人はいません。スタンバイ中か。「これは普段の数倍の人出だから、いつもこんなんと思ったら間違い」とのことで、この光景がすでに非日常なんですって。切ない。

 

おっ同人でも出しますかね。弱小の連が阿波踊りで全国区に勝ち抜く青春談とか阿波の魔法学校とか。

 

船場にむけてうろうろ歩きます。

 

半田そうめんはめっちゃおいしい、おいしかった。

これはもっとがっつり食べたい。

 

 

露店が多い。手ぶらでノープランで早く会場入りしても何とかなる感じ。 

 

 

沖洲川沿いには露店が並んでいて、素材にこだわったお店があったりして、もうなんだかアルコールが不可避の世界ですよ。昔まだ飲酒運転がヌルかった時代はみんな飲んでただろうと確信します。これ、アル、アルコールを、アルコールを、アルコールを、私は今夜車を阿南まで運転しないといけないんだが、アルコ、アル、アルコールを、 あくぁあわわあわ  我慢しました

 

日和佐燻製工房。こちらの燻製の品々はよく燻っていて、いぶっとるなあ、香りがいい。アルコール、思わず買ってしまったが、アルコール、アルコールを、アル  くわああ。だめすか。だめ。はい。

 

 

 

17:46  新町橋ふもと、新町橋東公園。踊り手、観客などが混然となって溜まっている。友人が地ビールの列に並び、自然とここで歩みを止めて状況をうかがうことに。何かが始まりそうな雰囲気があります。何かが始まる。始まりも終りもない世界はないんです。始まりを観ましょう。

 

 

17:55 青空と川とそごうを背景として、いよいよ始まりそうですよ。そごう。昭和の勇者そごう。提灯。夏だ。昭和感が強い光景。片岡義雄の世界。ドキドキ。そごうと青空。ドキドキ。おれたちの夏が始まるZE。

 

 

阿波の編み笠の鋭い傾斜は月を思わせます、日本ではない異国の使者にも見えます。素顔を見せない、宇宙さすらい人。

 

 

17:58 「天保連」が開始。男・女がそれぞれ陣形を組み、左右への横移動を行うとともに、踊り手の一人一人は足と手先を細かく音に合わせて動きを刻む。

動きの揃い方が凄い! 揃いの美を見ました。揃いながら陣が広がったり前進したりして、編み笠、手、裾のラインが美しい波のように打ち寄せてくる。美しいでは済まないんだ。眼の快感がきわまります。眼を離すことが出来ない。なんだこれは。凝視。こんな夏が何度でも繰り返してほしい。

 

 

 \ やっとさー やっとさー / 

 

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♪トンガトンガトンガトンガ♪ 

 

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ダダンダダダダッダダンダダダダッ

 

雑然とした賑わい、笛や鐘、太鼓の鳴りものの賑わい。その中をかき分けて飛んでくる、踊り子の声が素敵すぎて悶死です。女性の踊り手の生声が生っぽくない、高音で可愛いのと力強いのとが絶妙に共存している声なんです。30分ぐらい凝視していたら一瞬で終わってしまった。熱狂が時間感覚を奪います。

 

 

18:30 新町交番あたりから阿波踊り会館方向を見る。すごい人口密度だ。街というよりも、人の磁場が渦巻いている。ときめきます。

 

 

?飛行機の模型が。

 

 

海上自衛隊「かもめ連」でした。こちらも動きのパワーがありました。かなり暑いはずなんだが皆さんの身体はどうなってるんでしょうか。夏だ。おれたちの夏だ。ニコニコと発狂しています。しましょう。

 

 

18:39 夕方が深まってきたよ。意識がちぎれてるというか、写真の残り方が断片的になっている、たぶん踊りに見とれて、集中はしているけど記憶に残っていないという変なハイだったんで、意識と記憶とは別のものらしい。

 

 

18:42 新町橋。コミケの行列ぽくて良いですね。セーラー服の人たちが大挙して何かを買いに殺到しているようだ。

 

 

今回、終始目立っていたのが、この黒いドカドカ系の厳つい連の方々。従来の阿波踊りの音楽をビートの強度、ヴィジュアルを含めて「力強さ」に全振りした一団。阿波踊りの新たなムーブメントであるらしい。 そのビートは阿波+ダークステップ、獣めいたサイケトランスなどの影響を思わせる。

 

 

 やっとさーやっとさー

 

 

うわっ。聖地か? 重層感半端ない。

徳島って意外と○○な街ですなあと感想を漏らすと「この5日間だけやで」と返ってくるのがお約束です。実際普段が想像つかない。閑散としているらしい。TDLみたいに年の多くの時期がこんな具合で非日常に染まっていたら素敵だなあと思いました。讃岐うどんのごとく踊りが毎日供給され消費され続ける場… いいなあ(よだれ

 

 

舞台、車道、歩道、道の脇の植え込みなど、都市計画上割り振られた役割があるはずが、見事に融解して、熱気・期待感が溢れ出してしまっている。最高ですね。信号はずっと機能を失っています。厳密なルールの上に全く別の自治ルールが雪崩れ込んできている状況。興奮します。

 

 

18:47 元町交差点付近。

もう自分がどこに居るのか、もともと土地勘がないのに、地形の把握がまともに出来ないので、むりです、わかりません。

「にわか連」という、当日飛び入りで阿波踊りを楽しみたい人たち向けの即席軍団が集合しており、舞台上から動き方、踊り方の指南がなされています。

 

 

祭りに行くというより、我々が祭りの一部となる。そして私の中が祭りに浸食されて書き換えられていく。

マツリー^-^-

 

 

18:50

この舞台の向こう側では、素人衆が集まって阿波踊りに参加し、メインロードを踊り歩くことができる 「にわか連」の説明会。基本ステップから、声を出してください、ここは戦場ですという魂のレクが為されている。

 

あーーいいなあー。

 

あっ

 

 19:00 「にわか連」が動き出した。いつの間にか飛び入りしていた。わあい。レクを聴かなくても飛び入りでいけるらしい。いける氏。もう気分はいけちゃん。ヤットサーヤットサー。踊る阿呆になりたくてー 肝胆膵が阿呆になるー グエッグエッ ブrrrブrrr

 

 

「にわか連」は寄せ集めの急造部隊なので、いつどこで踊っていいやら、どのタイミングで声を張ればいいのか、前進する以外のことは特に誰も解っていません。のそのそ歩いては写メを溜めるばかりですj。おねえさんに「もう少しで演舞場!気合い入れて!!」「声が小さい!」等と檄を飛ばされていないと、本当に阿波踊りになりません。おねえさん将萌えj。

「キングダム」において、将の重要な役回りとして、檄を飛ばし、集を率いることが描かれていますが、それが実に理解できました。いやあキングダムはすごくいい作品だなあ。

 

 

19:12  「にわか連」が演舞場に到着。あのなんか煮えたぎっているところに踊り込まないといけないらしいです。わあい。みんなで燃え盛るものになりましょう。

 

  

 

 ワー。

 

 

ワー。

 

ものの3~4分だったと思います。何かの熱狂にやられて踊っていました。右手と右足、左手と左足を合わせて、ちょんちょんと溜めて出します。歩き方と逆です。ちょんちょんが難しい。ちょんの溜めと抜きを理解できたら阿波と一体化できます。

 

さてここからにわか連は演舞場を折り返し運行ですが、我々は離脱して8時半の市役所前演舞場の開場に合わせたいと思います。

 

 おっ同人ですかね。冴えない30代事務職男性が阿波踊り観光中に後頭部打って一回死んで阿波学園2年生として転生しましょうか。ひと夏の阿波踊りに向けて女の先輩に叱咤激励されながら当日のクライマックスを迎えるとか喜んでやります。

 

 

 19:30 商店街内では様々な連が踊りをしている。こちら「ひかり連」。鳴り物のスピード感とトランス感が特徴的。たいこのドスと、金物を素早く刻む音色は、スピーディーな民族音楽を思わせる。ドコドコドコ。

あっちこっちで同地多発的に同じ系統の音が鳴り響いており、ドコドコドコドコ市街地戦ドコドコドコドコ。

 

 

 

 

 

19:47 橋が光。

市役所前ってどこなんだか。人がうじゃうじゃいて市役所の方向もよくわかりませんし、こっちの脳も大まかに狂っていてGPSがどうだとか考えていられないんですよね。行き交う人々が幼児の胴体ぐらいあるミニオンズの巨大ビニールハンマーを抱えていたりして祝祭でした。

 

19:49 ここどこだ。踊りと踊りでないものとの判別が難しい。全部踊っているのでは。あなたは阿波の夜に立ち入ってしまったのよ。   

 

 

ここどこだ。

この写真が大体正解で、目に映る光景は全て祭であって、もう別に演舞場まで行かなくてもいいのではという複雑な気持ちになります。実際別に2千円でS席なんて取らなくてもよかった感がある。もうこの触れる空気全てが祭りで、ざわざわする。

 

 

ここどこだ。笛が鳴ってる。

♪ヒる~る~~る~~ る~~~ ♪

 ♪ヒる~~ヒる~ヒる~る~る~る~~~♪

 あちこちで音色が。踊っている。踊っている。

 

 

ここどこだ。

そこいらでゲリラ露店があり、飲食店と関係ない人たちがおにぎりや焼きそばを300~500円を売っています。やっとさー。夕食には困らなかった、やっとやっとー。安易に手を出すとベッシャベシャのおにぎりを食うことになるので やっとさー。出来れば信頼できそうな飲食店をチョイスしたほうが、やっぱりおどりはやめられぬー。やっとさー。

 

 

20:25 市役所前演舞場に到着。記憶がろくにない。ァ ヤットサー。ヒュラリーラリリーヒュラリラリラリラリーーーラ~~~~ ます。

行列。演舞場の雛壇座席。同行者はトイレ行列中。3人ばらばら。8時半の観覧席開場に間に合うかな。焦。なんか始まってるぽい。焦。しかし前売り券は座席指定なので焦る必要がなかったのだった。

 

 

 

 

演舞場では次々に連が隊列を成して、踊り込んできます。進行方向に向かって一直線に踊り流していくわけですが、それぞれの踊り、陣形、衣装は異なっていて、途中で隊列変換をしたり、観客席側を向いたり、バリエーションが見事。

 

 

 20:48 オーラルケアでお馴染みのサンスター社が結成した「サンスター連」。大挙して踊り込んできた。統制の美が美しい、目にしみる。

 

 

森脇健児氏がサンスター連の助っ人として登場。元気と団扇を振り撒いていた。この御仁は真夏にふさわしい。 しくじり先生を観て以来なんとなく好きだったりする。

 

 

 サンスター連の男踊りは軍人ですよ。

 

 

あと写真・動画にも残っていないが、「葉月連」の踊りは凄まじかった。特に黒い衣装をまとった女性の踊りは、特殊部隊の動きです。うちわを横へ横へと斬り流す動きと、爪先の捌きが尋常ではなかった。鋭利な刃物のようであると同時に、柳のようなしなやかさがあって、見とれてしまって、写真を撮ることも忘れました。写真なんて行為ほんと馬鹿じゃないのかと胸にやばいものが走り、少々アイデンティティーがやばいことになるなど、凄まじいひと時でした。ああ。躁状態鬱病になるぜ。

 

 

 20:59 「蜂須賀連」の方々。この統率も素晴らしい。抑制の中に秘められた躍動。その力の集合。はんなり舞ってたかと思ったら転調してスピードが上がり、燃えます。

 

 

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わああ。

 

 

 

 「つつじ連」の攻め入り。わああ。

連続するパターン。たまらない。

ファミコンで育った私です。同じイラスト、同じポージングのキャラクターが横一列に並ぶ光景は、感性の基底部に触るものがあります。無条件に好きです。あの、すきです、

 

 

小錦です。大塚グループが有する4つの連のひとつ、「チオビタ連」に強力な助っ人がきていました。小錦です。お子様を抱え上げるというサービスを披露中。村の祭司のようだ。

 

 

両サイドから握手とか乳幼児を抱き上げてくれとかリクエストがあって人気物。森脇健児にせよ、TVに出るたぐいの人種は、存在感という能力値が桁いくつか我々と異なりますね。 その場にいてはるだけで安心感がある。

 

 

 こちらも大塚グループ「うず巻連」。衣装のデザインが鳴門の渦潮を思わせ、とても美しい。いいなあ。夏の結晶が攻めてくる。ああ。

 

 

 海上自衛隊第24航空隊の「松空連」。先頭でミクリオ提灯を掲げて歩くのは、「テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス」でミクリオの声を担当した声優:逢坂良太氏。

 

 

21:27  こちらは異色か。「琉球国祭り太鼓 徳島支部」が、全く異なる音色と衣装でやってきた。

 

 

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 という感じで異色です。

 

 

言うてたら時間がどんどん経ちます。 

 

 21:44 さっき始まったかと思ったらもうこんな時間。うそだろ。

帰りにタクシーを拾いたいので30分ほど早く席を発ちます。もっと観ていたかったが…

 

 

 

阿波踊り初日がそろそろ幕を閉じようとしており、闇に包まれていきます。

 

 

いや終わりません。終わらない。帰ろうとするけどやっぱり帰りたくないんです、だめです、だめ。みんなそんな感じで、総合的にだめで、この場に漂っていたい。

 

 

21:58 

ここでも輪踊り、向こうでも輪踊り、明日に向かって輪踊り。

 

 

流しと輪踊りの混合。10年ほど前に私が心底惚れたのが、この、闇夜にゲリラのように咲く踊りだった。無政府状態尊いなあ。名前の付けられない花を探し求める旅をしているよ。

 

 

 22:08 宿まで小一時間かかるから早く帰りましょうねとさんざん言っていたわりに全然帰ろうとせず、両国本町演舞場あたりで未練がましく足をとめて、余韻に浸ります。ひたひたや。

踊り手さん達ってほぼエンドレスに踊ってませんか??? 素朴な疑問。夜は気温が下がったものの、30度前後はある、湿度もあるし少し動けば汗だく。しかし、夜が更けても、踊りは尽きない。一度踊り始めたら、夜を食い尽くすまで止まらない・・・

 

 

 

 

 

 異星人に地球が侵略されそうになっても、この止められない熱夜を見せたら色々と分かってくれるんじゃないだろうかという期待があります。

 

 

個人的にツボるのはこのデザインです。キュビスム1%入り。 

 

友人曰く「このぐらいの時間になると、近年は民族楽器を鳴らしたり、アンプ立ててマイク使う人などが現れる」という。阿波からレイヴに微妙に寄っていく動きがあるようです。

 

22:18  うわ。なんぞ。

阿波の鳴り物と節と掛け声を残しつつ、レゲエめいたメッセージ性のある語りの歌唱が場を沸かせています。

 

 

私も中に入ってぐるぐる回ってしまい、帰る気がありません。 

 

帰、

 

 「No Nuke ~!!!」

 

( ´ -`) ああ半角でしたか。

 

 

政治のことはわかんないですけど、みんなが他の思想 楽しそうにしていたので、いいことだと思いました◎

 

 

 22:27  物々しい民族音楽の軍団。

 ここでも阿波にとらわれないフリーなグルーヴ感が生み出されて、みんなぐるぐる踊りまわっていました。

 

 

 

( ´ -`) 阿波踊りも変容していくんですね。

 

 

 

この後、車輌制限時刻を過ぎたので警察が来て、「道を開けてください」と追い払われ、また日常が復元されましたとさ。ちっ。

 

 

 

日常に帰る、

 

帰、