写遊百珍

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【登山】快適ライト登山、奇岩の金勝アルプス(こんぜアルプス) @滋賀県_2017.6.17

【登山】快適ライト登山、奇岩の金勝アルプス(こんぜアルプス)@滋賀県_2017.6.17

 

2016年1月のぜんぜん雪がない武奈ヶ岳以来、お休みしていた登山ですが、写真仲間から強く強く要請があって、お連れすることになりました。ラッ。

 

「初心者でも十分に安全に楽しめる山はないですか」というクソ芸能人みたいなクソオーダーを投げましたら、師匠より「こんぜアルプスはいいで」「半日で奇岩とかいい眺望とか楽しめる」と最善の回答をいただきました。ありがとうございます。さすが客商売(山)経験者。

 

行先は滋賀県大津市甲賀市の隣ぐらい。忍者。

 

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金勝と書いてこんぜと読みます。MIHO Museum近い。

奇岩めがけてレッツゴー。

 

この一帯はヤマケイから地図が出ていません。どうも登山とハイキングの間ぐらいの印象。 

現地の有料駐車場で地図をもらう。

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結果ほぼ地図のタイム通りの行程となった。 この地図信頼してOKです。

 

<タイム>--------------------------------------------------------

6:15  梅田レンタカー出発

7:20  うちの地元 わたしpicked up

8:00  京都・八幡市駅 仲間pick up

9:00  大津駅     仲間pick up

10:00  登山開始@有料駐車場 

10:35  落ヶ滝

12:15  天狗岩

13:35  (昼食&天狗岩を堪能)

14:35  狛坂寺跡、狛坂磨崖仏

16:00  新名神高速道路のトンネル

16:25  帰還@有料駐車場

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トータル4時間半。

有名どころであり、人気の入門コースらしく、道ははっきりしているし、紛らわしい迷い道っぽい茂みには立札があります。分岐点でこまめに地図を確認すれば間違いは起きないのでは。地図はあった方が絶対に良いです。耳岩のあたりで誤って別の分岐へ入り込みました。

全体としてはきついところもなく、だいたい自動で歩けます。よくある人生のような山です。

 

 

日々の暮らし(けだるさ)を相殺するもの(穏やかな刺激)があるといいですね、たぶん山にはそういう穏激があるので人々は足を運んでは好き好んで汗をかく。

 

 

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農家さんはペットボトルを魔改造しますね。

 

 

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午前10時開始の登山は通例おこられますが、それが成り立つということは【登山】ではないということかもしれません。光が綺麗でした。光をください。

 

 

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最初の分岐です。事あるごとに丁寧な分岐案内があります。誘導的なところも人生に似ている。導かれていたら概ねいいところにつきます。それでは面白くないという人もいます。色々ですね。今日は導きに従います。

 

 

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青があります。日常の町とか街では天然の青が手に入りにくいですが、天然の青はいいですね。道徳心の裏側あたりに滑り込んでくる気持ちよさがあります。脳内にこういう伝達物質の泉があるのではないか。

 

 

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10:35 落ヶ滝。

小休憩。滝を撮ったら力のない写真になりました。撮りたくなかったんだよ。

これはどうもツチガエルでは。見た目は渓流なのだが、実質的には平地の田んぼと変わらない環境なのだろうか。

 

 

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ブヂャー。渓流にこんな藻は生えない。やっぱり渓流じゃないんだ。

 

 

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滝以降は登りになり、少々アスレチックになります。砂地の岩肌で靴が滑る恐怖があり、実際にはそうそう滑らないと思うんですがとにかくそういう苦手分野があります。

 

 

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標高600mあるかないかの低山なので、シダ植物といい付き合いができます。

 

出会ったおっちゃんが食虫植物の群生を教えてくれます。

 

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 イシモチソウ。モウセンゴケモウセンゴケ属の食虫植物。見ると羽虫が捕らわれています。全国的には希少種で、環境省レッドリストでは準絶滅危惧種の扱い。可憐で美しい。特にねばねばしている様子がないので普通の花かと思いました。行きずりのおっちゃんに感謝です。

 

 

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 イシモチソウと真逆に、粘液を光らせながら、血に飢えた真っ赤な魔物のように、周囲に無数に生えているのが、同じく食虫植物の「モウセンゴケ」。

日当たりがあり、他の植物が生えてこない岩肌で、それでいて山の湧水などでほどよく湿っているところに集中的に群生しています。

 

人がレンズ沼にはまるのは、「この食虫植物をもっとよく撮りたい」という欲望が湧いたりすることも要因であったりします。マクロレンズがないとだめだ。

 

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 下ります。そんなに激しいところはなく。

 

 

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 トノサマガエル?が集まって住んでいる個所を発見。山とは言いながら標高が低いから水田並みの生態系か。登山中にトノサマを見たのは初めてです。

 

 

登りが続く。

 

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 11:35 ポイントK6(稜線上:鶏冠山と天狗岩の間)。

 

 

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一転して、天狗岩までは瘤めいた岩が主役になり、こんぜアルプスならではの不思議な景観が味わえます。

 

 

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白い筒が立っている。まさかアート作品ではないかと疑ったが、鹿の食害避けカバーであった。まだ幼い樹を守っている。

 

 

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 登っていたらいいことがあるんじゃないかなという曖昧な希望みたいなものが、登山者の心理を覆っています。登りだ。太ももがややちょっと不安になる。丸一年以上登ってなかったんだ。学校が忙しかった。登る動機がなくなった。いろいろあるよ。もともと足腰は強くないんだ。登ろう。これ以上ペースが早かったらまずかったかも。

 

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振り返ると先ほどまで歩いていた砂地の岩場が、山城の跡地みたいに一望できた。奇怪な景色です。芦屋ロックガーデンの地獄谷方面は、これと似ているけれども、もっと木々が少ない。 

 

 

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 進行方向には魔王の城が立っている。あそこに攻め入るのか。食われそうだ。ボコボコしている。瘤の中では凶悪な魔物が育っているはずである。魔王群滋賀県支部バラモス亜種。うふふ。悦びます。

 

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芦屋ロックガーデンでは岩のボコボコそのものをよじのぼる場面も多いが、こちら金勝はスケールが人よりはるかに大きく、景色としてやり過ごすことになります。どれも珍奇で個性的。 

 

 

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老僧が邪悪な笑みを浮かべています。こいつは魅力的な悪役面。私はこういう聖域のバグ面に不意打ちで突入することを願っているから登山に来るのかも知れません。出来るだけ完璧な誤読をしたまま踊っていたい。

 

 

 

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 そこいらの岩も、唇のまくれあがった老人、怪僧などを顎の下から見上げているようなフォルムで、熱変形したプラスティック容器のような自在な歪みっぷり。もっと観ていたい。

 

 

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岩場と林を交互に抜けていく。きらきらする。

 

 

 

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登山道や岩山で転がっている木々を観ていると、現代美術の有効性について自信を完全になくすというか、意味がないんではないかという無力感にとらわれることがあります。しかしそういう見方が出来るのは、街中で造形の試行錯誤を作品として観ているからこそ出来るわけで、芸術に触れていなければこれはただの樹枝で終わっていたかもしれないよ、などともう一人の私がささやきます。疲れました。たのしいですね。 

 

 

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天狗岩直下は登り度合が少し高まります。落ヶ滝以降はけっこうロープと岩のよじのぼりポイントがあり楽しいです(省略しました)。手足の長い私がロープを使わず登ると、理性が飛んだEVA初號機になります。クラスメートの片足を奪う結果になったりしないようにしたい。

 

 

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 シダ植物はなくなり、岩岩砂砂した渇き道で、てきとうに登っていると天狗岩のふもとにつきます。梅雨なのに雨が降っていないから少々乾燥では。陽射しがやたら暑く、イチョウの葉エキスで脳の毛細血管が開いていて、つまり汗がかなり出ました。いけませんね。

 

 

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12:15 天狗岩。

2時間ちょっとしか歩いていないのに満足感があり、昼食を喜んでいる自分がいます。もうすっかり身体が脱登山しているなあ。写真とスマホゲー(シノアリス)にウェイト割き過ぎか。昼食客が多いですね。煮炊き。焼き。我々もしましょう。

 

 

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これは煮炊きです。

 

野外で火を通したものを口にすると、2倍から3倍ほど充実感が増すので、人生が人生として感じられるようになります、この原理はまだ謎が多いですが即効性があって、人間性を回復できるので、普遍的な魅力があります。

 

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食べたら天狗岩によじ登る。傾斜はあるけど登るのは子供さんでも余裕。

 

 

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どれもフリーで登れそうな道に見えるし、頑張ればそこいらの岩をむりやり越えていくことも出来そうな気がする、するんですけれども、砂岩はかなり怖い。掴んでいた凸がボコッと外れた。足元がずりずりする。信用ならんなあ。一見上部そうに見えるでしょう、しかし叩くと中がポコポコ言う。軽いなあ。

 

そんなわけで安全な一本道しか選ぶことができず。

 

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アアウーアアウー。天狗岩頂上。アウッアウッアウー。回りに高いものがなく、展望良い。

足元の起伏は高度感、傾斜あり、ズルッといくと転げ落ちそうな気もします。濡れていたらどうなんだろうか相当怖いかも。 

 

 

 

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真下を見るとこんなことになっている。余所では見られない景観です。滋賀のデスバレー。感情の抑揚の果てに辿り着く地。

砂の岩なので下りは滑るのがかなり怖かった。体重移動を鍛えていれば余裕のはず。

 

 

「耳岩」、「白石峰」を通って「国見岩」方面へ下りていきましょう。

 

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13:55 耳岩。

よじ登って天狗岩を見たところ。誰かが岩をつまんで無作為に積み上げたような、こう、巨人界のスケールが。居るのかも知れません巨人。そういうことにする。

 

 

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シャー。

 

 

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蛙のおっさん。ハモっぽい? スッポン面?

この山は擬人が多くてときめきますね、ずっとそうであってほしい。

 

 

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耳岩以降の道は妙に整備されている。微妙にしんどい。

 

 

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 14:05 白石峰。

だんだん温泉に浸かりたくなってきます。あついんだが。汗が気持ち悪い。女子だろうか。ええまあ。 

 

 

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14:15 「重ね岩」。

ものすごく計算して積んだようなことになっている。現代美術の世界では「作者の綿密な計算が」とか「考え抜かれたどうのこうの」とリスペクトしないと怒られるのでなんていうかあれですが、自然は自然が自然にこうしたので、狂気の世界ですね、宇宙だなあ。

 

 

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下る。落ヶ滝の登り道と違って、えらく整備された平和な道。あとはこういう道が最後まで続きます。

 

 

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「狛坂ルート」は、周囲の風景:木々と岩、草、花などの折り重なり方が少々妙で、どこか人工的さを感じさせます。無作為の自然のはずなんだが。なんか変だなあ・・・。配列に目がいきます。

 

  

 

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 へんな道だ。昔、奈良時代には寺があったりしたので、ずっと昔からこうして岩を削ってあるのかも知れません。

 

 陽がだんだん傾いてくると、光と影が森の中で生き生きと表情を生み出し、樹木や蔦や枝や倒木が言葉にならない形を見せてくれます、もう一本道で地図を見ることもないので、意識は形なき形に引き寄せられて、下山は魔界へようこそこんにちは、スリリングでした。

 

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 14:35 狛坂寺跡(狛坂磨崖仏)

歴史が嵯峨天皇の時代(810~823)に遡ります。龍王山を挟んで離れた金勝寺に金銅の如来像がまつられたが、そこは女人禁制の聖地で参拝ができなかったため、この狛坂に金勝寺の別院を立てたとのこと。女人の立入が許される基準がよく分かりませんが。

そういうわけでこの一帯の石積み、何かが立っていた跡というのは、けっこう大きな寺があった名残だそうで。明治に廃寺。

 

 

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 磨崖仏。中央の如来が、例の女人結界に置かれた如来像の代わりであろうか。

 

 

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15:30

山行そのものは確実に終着点へ向かっているのですが、いかんせん目に映るものが異世界のものになってきて、かなり裏ステージを歩いているような謎の充実感があります。

 

 

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16:10 逆さ観音。

もっと山の上にあった磨崖仏が、昔の地震だか何かでひっくり返って落ちてきた模様。相当な巨石です。

きいちごをつまんで食べたりしながら、自然との共生について思いを馳せました。脳が魔界に行きます。かえってこない。

 

この後は近くでスーパー銭湯的な湯を見繕って清め、館内のフードでは全然満たされないのでその近所の「風月」でお好みを焼きました。大阪かよ。体内の山値が上昇した一日でした。しかし毎日スクワットを続けていたので筋肉痛は全く起きませんでした。アウッ。