写遊百珍

関西をメインに、美術館・アートイベント、登山、廃墟、珍スポットなど珍奇なものをご紹介。

【ART】「still moving」@元・崇仁小学校(後編)

H27.5.10(日)【ART】「still moving」@元・崇仁小学校(後編)

不意に廃校舎へ吸い寄せられるかたちとなった「still moving」展だが、京都PARASOPHIA関連イベントの中では最も地域との対話がしっかりしており、ビエンナーレ系イベントとしてしっくりくるのであった。

 

 (前編) 

 


 

mareosiev.hatenablog.com

 

 

一見「自然」だが計算の行き届いた世界、現る。

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久門剛史《Quantaize #3》

「クォンタイズ」シリーズで各所の展示イベントに姿を現す氏。ごく自然に音、風、光をシステム化してその場に織り交ぜてくるので心憎い。まず黒板からはチョークを書きつけるときのカツカツという掠れた音が響いており、良質なノスタルジーが来ます。

 

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 FF的な4大属性をシステム化しちゃった空間。

 

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白いレースのカーテンがふわりと風に…

という象徴的なシーンすらも扇風機、予定された指示入力によるもの。

 

 

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時の流れを無数の針が刻みますが、時計ではなく鏡なので、刻まれているものの正体がつかめません。

 

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チリチリーと明かりが明滅します。静かに忙しい。

 

おや学校らしい空間が

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高橋悟《それから:Moving》2015年

「おはよう」の一文がとても良いですね。胸にしみる。

 

小学校生活は言うても、早期に自我を抱えてしまった恐ろしい女子と、一部の聡明な思春期選抜隊男子、そしてなおも未成熟の暗闇を這いつくばっていた私のような莫迦な多数の男子から成る、ぐじゅぐじゅとした膿の神殿でした。ので、小学校なるものを、こういう静かで美しい場として見せられると「ウッ!」となります。もだえましょう。悶絶友の会

 

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昔話はさておき、高橋氏の展示はPARASOPHIAと連動。

この大きなツヤツヤの紙は、京都市美術館の展示と同様、自由に持ち帰りOK。

(何に使うのか分からなかった。会場に油性マジックでも置いててくれればbestだったかも)

 

(PARASOPHIAの展示はよく分からなかった。分からないのが好き・許容できる人間にとっては良かったのだが、皆が私のようなジャンキーというわけではない…)

 

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 久門剛史《Crossfades #1》

時計の針(のようなもの)が白い空間を刻みます。

くせになる( ゚q ゚ )

 

 

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「漂流するアクアしんぶん」 

 漂流というフレーズはたいへん好ましいです。失踪とか逃亡、迷子、自失、行方不明等のロスト系タームの中でも上質な香りがします。漂流していながらなおかつ媒体として情報を発信するというのはどういうことだw 色がおしゃれなのでよいと思う。

 

 

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井上明彦+二瓶晃《Tracing Suujin》

油断すると踏んだり蹴躓いて壊してしまいそうな危険度をはらんだ作品www 体調の悪い時は来ると危険。木枠はけっこう床から離れています。

「まち」や「地域」の姿を描くにあたり区画の線をなぞるというアプローチは行政的には相当正しいと思います。

 

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ただし弱ってると蹴躓くwww  

また、廃墟フリークからすると、ついに行政や解体業者の手の入った物件のように見えてしまい、謎に胸が痛む画だったりする。

 

最後に訪れた教室は異質かつ最もハードコア。

 

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高橋耕平《HARADA-san》

濃い。

 

フィールドワーク。濃い。

 

原田さんwww その日その日すぎるwww

良い人だし憎めないけどこれはわりと困った人www

 

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西成とか十三、住之江で同じような特集しても、この原田氏のような上品さは出せないだろう。基準が変だが大阪人としては直感的に「あ、この人はなんかちがう」というのがあってそれが面白かった。

 

作者が原田氏の経歴を聞き取り、年表にまとめているが、めちゃくちゃ芳ばしい。

長いので分割して掲載します。

 

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①0歳~21歳

秀才だったが受験行為がとにかくイヤだったようで

敵前逃亡の歴史www

 

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②21歳~35歳

はやく大学卒業してくださいwww

しかも勤めてはすぐ辞めちゃうのな。定住に向いてないのか。。

 

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③39歳~64歳

パチンコ依存症\(^o^)/

次女が2歳になってから「意図的に妻とのコミュニケーションを減らして行く」と書いてあるがこれは何だwww  どうしたんすかwww

 

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④65歳~67歳現在

マクド入り浸り\(^o^)/ まああの業態の店は飲食物ではなくスペース使用権を売ってるのでそういうLifestyleはおおむね正しいかもしれません  ギャラリー巡り好きですねwww

 

<補足説明編>

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フェリーニが人生の歯車をあれしたようです/(^o^)\

 

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このすべては原田さんの記憶(供述)にしか依拠していないと思うとそれはそれで恐ろしいwww 

 

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生活の描写がハードコアだ/(^o^)\

 

☆作者が映像をyoutubeにUPしてはります☆

www.youtube.com

(高橋 耕平氏

 

この展示は最高でした。濃厚なお味で。

昔はよく、サークルとか身内のちょっと個性的な人のことを「存在自体がアート」と評したりしたものですが、実物を見せられるとお腹一杯になりますね。たいへんす。

 

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崇仁ブランド。

 

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おおミニゲルニカ

 

 

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部族の儀式を奨励していました。

 

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有意義な展示でした。合掌。