【ART】2014.11.15「MASK」Open Storage 2014 -見せる収蔵庫-(1)
「北加賀屋の倉庫を利用してアート作品を無料展示している」との情報があり、急遽駆けつけた。Twitterはこういう時はすごいなと思う。
本展のコンセプトは「オープンストレージ」、アーティストの作成した大型作品の在り方に対する新しい取り組みである。
昨今、多くのアートイベントが催され、大型作品のニーズが高い反面、会期終了後の保存、管理については物理的、経済的な困難が伴う。やむなく廃棄された作品も多いのではないか。
そこで、空き倉庫を活用するという提案がもたらされる。
本展を主催する 一般財団法人おおさか創造千島財団 は、約1000㎡の倉庫・工場跡を無償で提供した。これにより眠っていた空間は、作品の保管・展示にかかるプロジェクト「MASK」 (MEGA ART STORAGE KITAKAGAYA ) として再生。
現地に行くも、北加賀屋というと「名村造船所跡地」しか思い浮かばず、
MASKの会場はここではなく、守衛に速攻でブロックされる。
しかし同様の間違いが多発しているようで「あの、アート展示してるやつに来ました」「ああ、ラッキードラゴンですかね、それこことちがうんです」会場でもない物件の守衛の口からヤノベケンジの作品名を聞くとはレアな。
造船所跡も入場料500円とかで散策用に開放してくれたらいいのに。
(注:撮影や舞台、イベント等の貸し出しは常時受け付けている)
位置が判明。「クリエイティブセンター大阪」が名村造船所跡で、マークの場所がMASK。
5分ぐらいで到着。一見、普通の倉庫すぎて判らなかった。「ワム」を使うあたり相当分かってらっしゃる。貨物を使う人とは友達になりたい。
しばらく会場の入口が分らなくてウロウロしたが、
ガラス窓がそのまま扉になっているという不意打ち。
フロアは映像から。今回展示されている作品の真の姿が明らかになる。どちらかというと、静態展示されている実物を見た後で、過去の展示でそれらがどのように躍動していたかを答え合わせする方が面白いだろう。
( ゚q ゚ ) ボートが回転し続けている。演歌を背景に高まる遠心力。
カウンターを抜けて会場奥に入ると、
工場!
アートっぽさが薄まり、出番待ちの戦隊、巨大工具の群れに見える。
宇治野宗輝「THE BALLAD OF EXTENDED BACKYARD」(車両部分のみ)
≪2010-2013≫
車が鳴ります\(^o^)/
ライトを点滅させて「バババッパッパパ パッパッパッパッパッ」
私の友人が車の天井を叩いて音を鳴らしていたのを思い出します。
この世のあらゆる物は真空中でない限り何かすれば何か音が出る。それを、打つとか叩くとかで人力を外から加えるのではなく、家電や日用品を繋ぎまくり、プログラムで自発的に音を鳴らさせる
バンの後方~内部で「チャッチャッチャチャッチャッチャッy」
独自の生態系を見ているようで面白い。
やなぎみわのトレーラーに目を奪われて油断していたらパッパパパッパパ鳴り出して心臓に悪かったw
やなぎみわ「『日輪の翼』上演のための移動舞台車」 ≪2014≫
今年の横浜トリエンナーレに登場したトレーラー。巨大、派手、パワフル。
作家・中上健次の作品『日輪の翼』を上演するための舞台となる…が、横トリでは既に前売り券完売のため、その真価を私は知らず。今年の横トリのテーマと全く関係ない感じでどーんと鎮座していて面白かった。
この特注っぽい車体の製造と維持は物凄いコストがかかるのでは…
台湾で作られ、海を渡って横浜へ、そして大阪の北加賀屋へ。忙しいこと。今後も全国を走り回るのであろう。メンテ大変だ。
ラバーダックの歴代説明書きも展示。いつの間にか堂島、天満あたりの水辺にはラバーダックが当たり前のように現れるようになり、大阪の顔のように私は感じている。もっとやろう。