写遊百珍

関西をメインに、美術館・アートイベント、登山、廃墟、珍スポットなど珍奇なものをご紹介。

【動植物】アートアクアリウム@心斎橋

2013.1.13(月)心斎橋で「アートアクアリウム

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女、桜、そして金魚は、ときに凄惨なまでの美しさを見せる。

見たものの美意識、ある種の常識全般を引き裂くような、破滅めいた色彩美である。
ひらひらと揺らめくその体は既に時空を超えて超絶なる改造を幾重にも重ねられた、美の畸形である。
私はへらへらと笑った
のであった。完。



終わったらあかんがな
( ゚ε゚ )ノ 

行列に並んで行って来たよ、この
クソミーハーな企画に パズドラやりながらさ
メタドラか金魚か 神フェスか芸術か
あゝ パズドラはおもしろいなあ。永遠にできる。

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「1時間半待ちです」と会場で真っ先に告げられたのは、昨年のクリスマス頃だった。
東京で大好評を収めた金魚×アート×光のイベント、アートアクアリウム
それが大阪の大丸心斎橋店に来ているとの情報を得て、いそいそと出向いたものの、
長蛇の列にすごすごと引き返したのであった。

あれから半月。
私はパズドラを覚え、ランクも50近くになり、
モンスター養成やメダル稼ぎに忙しくなり、時間つぶしはお手の物となった。
そういうわけで再戦である。
90分?なにそれ?スタミナ回復待ちつつイベントこなしてたら楽勝です。


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大丸心斎橋店・エレベ−ター壁面。
キャッチコピーが「大阪金魚の艶」と言っているけれど、元々は東京発のイベントですよね?

いじわる言わずに黙って見ます
よ!( ー_ー)

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<注:筆者は金魚に疎いため、金魚名や解説が間違っている場合があります。
   鵜呑みにせずお手元のスマートフォン等で確実なソースを参照のうえご鑑賞ください。>


( ー_ー)ノ 

※入口付近の行列・滞留がひどかったので、少々飛ばしました。
 単品展示なら水族館か小粋なペットショップでも十分鑑賞できるが。。


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まずは「柳出目金」。
眼は出目金だが、しゅっとしたボディが特徴的。


この「柳出目金」は、市場には出回らないためレアだとも。
「和金」から「出目金」に至る過程に出現し、養殖場ではハネられるとのこと。


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「丹頂」。
元は中国の宮廷で愛でられていた種だが、昭和30年代に日本に入ってきた。
頭頂部のこぶだけが赤く染まり、その他は全身が白く、丹頂鶴のような姿である。
太いけど。

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琉金」。
名の通り、中国から琉球王国を経て安永・天明の時代に薩摩藩へ渡ってきた。
見ての通り、水槽内の照明はかなり強い色調で、次々に切り替わる。
これを受けて「強い色の光に炙られて、金魚が可哀そうだった」との声も一定数あり、
アートアクアリウム」の検索候補に「金魚 かわいそう」と表示される事態となっている。

もっとも千年以上前の中国・宋の時代から盛んに交配、改良、選別を繰り返されてきた愛玩生命体である彼らに対しては、
「可哀そう」などという感傷的なコメントでは到底満足できないほどの人間の業が塗り重ねられていると見るべきである。


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「茶金花房」。
御覧の通りでさあ。ケセランパサランが寄生しているような顔だ。
この房が一体何なのか?科学的なことは全く分からないまま、皆は感嘆の声を上げてシャッターを切る。
調べてみたら、鼻先にある突起物(鼻孔褶)が肥大したものらしい。
これの出目金バージョンに「茶金出目花房」というレア種がいる。


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「頂点眼」(チョウテンガン)
アカデメキンの突然変異種を固定化した種。
違いは眼が完全に上向きであることぐらい。
視力はほとんど無く、嗅覚を頼りにしているとのこと。



( ゚ε゚ )ノチュー。
「ヨツメウオ」を彷彿とさせる眼の造形。上からの敵に強いかと思ったがそうでもない。
こんなのを珍しがって愛でていたとは、中国の宮廷文化はかなりヤバい。
デカダンスな美意識がうらやましい。

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「黒蘭鋳」
ダライアスシリーズに登場する魚類系敵戦艦のようなフォルム。
黒い兜で頭部を固めたような姿が良い。


「蘭鋳」(らんちゅう)
人気が高く、メジャーな品種であり、房やボディの美しさに魅了される人間も多く
全国で品評会が催されている。

全国一位を幾度も獲った山田さんという人が、品評会で勝つための蘭鋳飼育のノウハウをDVDにしている。
恐ろしく長い饒舌なWEB広告の末に14,800円の購入を申し込めるページなどがあり、
蘭鋳界の奥深さと恐ろしさが知れる。


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「水泡眼」
気の毒なぐらい大きな袋を揺さぶり、動きにくそうに体をくねらせて泳ぐ。
この袋は、角膜がリンパ液で膨らんだもの。
体色は赤、更紗、キャリコ(三色)などバリエーション豊か。

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我々が過度の巨乳女性に対してフェティシズム的な魅力を感じるのと近い何かがあるのでは、と巨乳フェチの私は心から唸った。
ううむ。この膨らみは、ねえ君、どうかね。

しかし泳いでる姿は気の毒だ。。。
飼育時の注意は、袋が破れないような環境作り。破れると即死する場合もあるらしい。


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「キャリコ琉金」(おそらく…)

照明の色が激しすぎて、金魚の品種がまるで分らなくなる事態に。
ブチの綺麗なやつでした。
ひれもひらひらしてて踊り子気分の高い様子で。

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モデルとか女優に通じる雰囲気は
あるよ。
物おじせず「どうぉ?」。


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「あら、私が二人いる」



「桜錦」(と思われる。)


ものうげに考えこむ
ようで何も考えてない。

(心の声)
「あー、きちーなー、照明よーきちーよーだりぃー
 デジカメのAF補助光とかよーだりぃーよーー
 てめえらーUzeeeeよー、あーUze-、マヤ歴最後の日
 って何も起きなかったよなー くそーUze-」


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なかよくしてね☆彡
お客様は神様です!



金魚単体展示はここまでで、以後は「アート」の表題にふさわしい趣向の展示となる。

ちなみに入り口すぐには「禅アクアリウム」という、横長3段の水槽があったのだが、
入場者の列で、肝となる額縁のデザインが見えず、見ていない。

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「Byoburium/ビョウブリウム (屏風水槽)」

様々な広告の記述を見ていると、「アートアクアリウム」は2007年から既に行われていたことが分かった。
今回の展示についての宣伝記事も、『2007年に始まって以来、東京・横浜・名古屋・神戸・京都で計135万人が動員したアートアクアリウム展がパワーアップしていよいよ大阪に初上陸。』といった口上だ。
残念ながら過去の記事は見当たらず、ブログ類はこの2012年秋〜2013年1月の記録に集中している。


…と思ったら私自身が2007年に六本木ヒルズで催された初回の「スカイアクアリウム」に足を運んでいた。

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参考記録六本木ヒルズ公式サイト
 ★Link http://www.roppongihills.com/jp/feature/vol068/gallery.html


私の記録:「スカイアクアリウム2007」
 ★Link http://d.hatena.ne.jp/MAREOSIEV/20070923

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「Flower2 Aquarium(フラワーフラワーアクアリウム)(花瓶水槽)」

水槽の右端にフラワーアレジメント、赤い花が飛び出して妖艶。
中に筒を設けて茎を挿していた。
金魚「おい狭いな」



これがいわゆるヴェネツィア×金魚のコラボ。

『イタリア・ヴェネツィアンガラスアートの最高峰「VENINI」社(下記コラム参照)から、木村英智によるデザインの新作が発表された。金魚(土佐錦魚)を表現した金魚鉢「Kingyo」だ。一つ一つ職人の手作業による吹きガラスによって、水中にゆらめく尾びれを再現してみせた。』
(引用「suumo ジャーナル」2012年9月7日(金))
 ★Link→ http://suumo.jp/journal/2012/09/07/28209/


しかしである。
一品だけを隔離スペースにぽんと置いても、全く存在感がない。
東京での展示に関するブログ等の写真では、2列にわたって合計15〜20鉢近く並べられており、整った美しさが垣間見られた。


そしてラストの大広間。
ここは音響のアップテンポなBGMと相まって、キンギョディスコと化していた。
フー!


「プリズリウム」

鏡の中の世界、乱反射の世界は、私にとって最も興味深いものの一つ。
照明を落として、絞り込んでもかなり面白いだろう。
中の金魚の種類は知りません。シクリッドっぽい体系だな。

背後でまさにキンギョ!ディスコ!なノリが四ツ打ちたくましく、
なんじゃなんじゃと振り返ればそこは巨大な、支配階層構造の金魚鉢。

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「ザ・格差」

スターダムにのし上がった者たちと、そうにはなれず下層で人目にもつかず、ぐるぐるとまわるだけの者たち。
公式にも実際にそういう感じの紹介文になっているから恐ろしい。

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一応、下層の子らは「上位の花魁を目指す」という前向きな文言にはなっているが、
この構造、容易には崩せないであろう。恐ろしき世界。合掌。

美は、競わされ、過酷な宿命の下に晒されることで、薄氷のような命を得るのだと
だれか忘れたがなんとなく尤もらしいことを言っていた。
競争にも残酷さにも晒されていないものは、エロスが欠落しており、つまり美ではないとか。

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秒単位で切り替わる強烈な照明のせいで、毎日金魚が全滅していて総入れ替えされていたとしても、
これだけ眼を惹きつけられる肉肉しい美のようなものがあれば、それはそれで正解だと思いますが。


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発芽直前の宇宙空間が蠢いているかのようだ。


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下層者「我々は一生ここにいます。ぐすん。」

構造。それは固い。


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バイオキンギョ。

RPGの終盤あたりに出てくる奴らの色調である。
すげえ強そう。防御力と再生力が異常な値を示している気がする。


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「アンドンリウム」(行燈水槽)。

東京でのアートアクアリウムに参戦した者によると、アンドンは東京では見なかったらしい。
地面にほぼ直置きになっており、しゃがんで覗き込むことになったが、
立体的に積んでいたらもっと多様な陰影と揺らぎが楽しめたと思う。


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キンギョの擬人化、花魁見立てゲームである。
すべては女優と見なしてそのように全力を投じるとそのようになるのである。
( ゚ε゚ )ノ

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当の金魚が何を思っているかはよくわからないが、
とりあえず美人だと思います。ええ。
下手したらそこいらのおんなよりも美人。


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再び「花魁」に。
はちきれんばかりの肉感たっぷりの色彩が猛毒のように心地よいです。
金魚も蜷川実花も、摂り過ぎた砂糖みたいなヘビーさがある。


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パズドラのことを全く忘れ、公立病院の移転とか改革プランのことを全く忘れ、
税金と住宅ローンの利子のことを全く忘れ、私は放心状態で悦に入った。素晴らしかった。
花だ。これは花だ。
私は静かに狂喜して、ぬるぬると頭の中で笑った。
アホのようであった。くはあ。

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カレイドリウム」(万華鏡)。

水槽に取り付けられた万華鏡で、金魚を見る。
写真はちょうど、通過する金魚の目のところ。
手持ちのカメラではピントが合わなかったが、スマホでマクロモードにするときちんと合った。


素晴らしかった。
堪能した。
麻薬のような、重い砂糖のような快楽であった。
わっちは幸せでゲス。( ー_ー)ノ