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写遊百珍

関西をメインに、美術館・アートイベント、登山、廃墟、珍スポットなど珍奇なものをご紹介。

【廃墟】滋賀の廃村に挑む(3年目の比婆神社)

2012.12.30(日)滋賀の廃村に挑む(3年目の比婆神社)


滋賀県彦根市街から半時間ほど、多賀町の奥、河内風穴の方へ車を走らせると、
風景は一変する。

人の生活の気配はなくなり、猿が飛び回り、積雪が目立ち、孤独が迫る。
そして使われなくなった木造小屋の一群が現れ、鬱蒼とした木々の陰に覆われる頃、
冬季無人集落、あるいは完全な廃村の中へと、迷い込む。



…ていうことを繰り返して早くも3年目の年末。
( ゚〜゚ )ノ 今年こそは!

廃村「男鬼」(おおり)集落の奥にあるという「比婆神社」(ひばじんじゃ)に辿り着かねば!
神の恩寵を得てから年を越したいのである。あう。


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<※2011年12月末のようす>
★Link  http://d.hatena.ne.jp/MAREOSIEV/20111230/1345271180
(リンク先に2010年の男鬼集落の様子もあります。)
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さあ行くどすえ。
組むのは3年連続、珍奇旅の王子と名高い小唄氏。
私の家で一泊して、速攻で滋賀県に車を走らせる。ゴー。

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135128.jpg
さすがは滋賀県
独り者がウロウロしていたら直球を食らう。
マリエ!出会いと別れのマリエ!

廃村群に行く前にまず、野洲で寄り道をする。

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<MAP>野洲周辺「市三宅田川橋梁」
(※情報共有のため、今後は分かる限り地図を付けることにしました)


小唄氏「着きました」
おれ「え? これ?」

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135132.jpg
8:40「市三宅田川橋梁」
(※車道が左に曲がった先、木々で覆われてる部分)

マイナーすぎる。
なぜこの橋梁を狙ったのか?
小唄氏によると、「ねじりまんぽ」という独特な建築様式が見られるとのこと。


現地に着いたが、この日は雨天で、橋梁のトンネル部は小さく、しかも
地面から70〜80㎝下を流れる川に下りないと、中を見ることが出来ない。

小唄氏「下りましょう(キリッ)」
おれ「え?   ( ゚〜゚ )ヾ」


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135129.jpg
ザブザブ
 ザブザブ


( ・_ ;)
真冬に素足!しぬよ!

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135130.jpg
ご覧いただきたいのは、まあ小唄氏が素足である点と、もう一つは、トンネル内部の煉瓦の構造です。
巻いてません?

トンネル全体がねじれたように煉瓦を積んでいることが「ねじりまんぽ」の特徴です。


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135131.jpg
・・・ということを帰宅後に知って、この時は「ああ古い橋梁なんやね」ぐらいしか思っておらず、ろくに撮ってません。
しくじった!
ねじりまんぽだったんや…今まで話には聞いていたのに。

それに私は靴を脱ぎたくなかったので、かなり足元慎重派を貫き、撮影もおろそかに。
やはり珍奇旅には、ゴム長靴は必須かな。

では先を急ぎましょう、


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9:50、JAFによる救出


(/ _ \) どろのばか。

バックでしか出られないから、切り返そうと思って…
雨天でぬかるんでいたのと、前輪駆動ゆえの頭の重さ&猛烈なスタックで
どつぼに。
既に「比婆神社」は我々の侵入を遥か手前から拒んでいるかのようだ。
まあ最終的に拒まれたんですけど。

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第2ポイントに到着。


「砂山池揚水機場」
小唄氏曰く「かなり気になってる物件です」「サイトで見てたら非常に良くて」
彼の直感は大体クリティカルヒットする。


近江八幡からちょい東北東、豊郷町甲良町あたりの田園を走る。
「砂山池」と言うからには、周囲をフェンスか土手で覆われているに違いない。
おや、不自然な林が。

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135137.jpg
11:05、「砂山池揚水機場」

これだけを見たら、異様に掘り下げた低地に隠れ住んだ、シャイな家。


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135138.jpg
完全に地面の底に沈んでます。

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明治44年(1911年)竣工。
「琵琶湖に注ぐ犬上川の一ノ井堰から取水していたが、
堰は遠く離れ、取水には複雑な慣例があり、しばしば水争い
が繰り返されていた。」

(引用:水とともに : 水がささえる豊かな社会 / 水資源機構 編)


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「…一滴の水を争って我田引水する。水争いになれば、川下は
川上に対して常に不利な立場におかれ、しばしば石合戦や
竹槍騒動が繰り返された。」

今のしっとりと濡れた光景からは想像もつかない。


家屋から少し離れたところにある煙突、ボイラー室跡。
煙突上部は取り外されて、そのへんで寝ています。


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ゴーレムの頭だけ出てるような。
根本だけでも存在感ある。

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135143.jpg
階段が伸びているので、間近で見てみよう。
古代遺跡に迷い込んだようで面白い。


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135144.jpg
地下水の汲み上げ箇所。
この環の先はどうなっているんだ。どこから水が来るんだろうか。


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135145.jpg
なかなかの雨で、止むことなく、しっぽりと波紋を
楽しんだ。

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全体像。
一見無意味な木々のラインなどがとても美しい。
…無意味だと思います。。



新幹線の車窓からも見えますよ。

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かんがい区域:約58.5ha
井戸の大きさ:地平面 =長さ:約40m、幅:約14.5m
常水面=長さ:約29m、幅:約3.6m、井戸の深さ:約2.7m
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(またしても引用:「水とともに : 水がささえる豊かな社会 / 水資源機構 編」)


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135146.jpg
百年だ。さすがに鋼管は取り替えているだろうと思う。
当時、最新式だった揚水ポンプ「コンケロル式離心動ポンプ」を
イギリスのアーレン社から購入したという。



よめねぇ。
( >з<)” 


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135151.jpg
レンガのアーチ部は後から埋め潰されたようにも見えるが、
最初からこのような鋼管の伸び方だったようだ。


建屋について。これは小唄氏が色々と尽力してくれたためであった。
感謝。


作業員の手

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ひらがなが無い!
これはかなり古い時代のものでは。


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135156.jpg
( >з<)” あんまり古くないのキター。

調べたらAV女優だった。おいどういうことや。
なんでここにAV女優が

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古き良き時代のマシーン、旧きアンペア。


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135200.jpg
椅子は佇み、何を思うか。


互い違いに伸びて曲がる鋼管は、何を思うか。
鋼管「おい水」「おう」「運ぶぜ」「わしら揚水やけんな」

( ー_ー)そうか…。


珍に立ち向かうものの勇姿ぞ。
EOS 60Dを振りかざして彷徨い続けるのだ。

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時は止まったままで、完全に外界からは忘れ去られている。

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135206.jpg
古い黒板には積み重ねられた書き込み。



今は蒸気に代わって電気で水を引き揚げている。
百年を経て、心臓は一新したけれど、現役稼働しているのは凄い。


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ひばちに哀愁が漂う。


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あちこちに刻まれた文字、記号が魔術のようだ。


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20121231/20121231135210.jpg
建屋内部、鋼管。
潤いをもたらし続けたまえ。


そして次回はいよいよ、廃村・男鬼集落へ…
…行けるのか???

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後編
★Link http://d.hatena.ne.jp/MAREOSIEV/20121231
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