写遊百珍

関西をメインに、美術館・アートイベント、登山、廃墟、珍スポットなど珍奇なものをご紹介。

【登山】氷ノ山(冬季)

2012.12.8 氷ノ山登山(冬季)前編

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ゆけ、ただひたすら、雪をかき分けて。


以前から冬山登山のトレーニング場所に考えていた、氷ノ山(ひょうのせん)。
兵庫県の奥、中国山地を越えた日本海側に潜み、ハチ高原とともにスキー場として活用される山である。
そして山が非常に巨大であり、兵庫県養父市鳥取県八頭郡若桜町にまたがって展開している。



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我々は最もルートの短い、鳥取県側「わかさ氷ノ山スキー場」から「仙谷コース」でのアプローチを試みた。
巨体の山なので、登山ルートが基本でも5ルートもある。

登山口から山頂まで往復3時間半〜4時間半。
そもそもが、大阪から車で登山口に辿り着くのに片道3〜4時間。
現地に着くまでで昼前になりそうなので、電撃戦で一気に登頂できそうなルートとした。


しかし…。


( ゚〜゚ )ノ
中国自動車道若桜街道の山道→路面凍結→カーブ→凍結わだち→
→スリップ→ガードレール激突→
 →警察→物損処理→→レンタカー休業補償+免責
  →2万+5万
   

 (*_*) ブエエエエ


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吹き付ける風はつめたかった。
もうだめだ。登山の前から
びゅううう


朝の6時過ぎに梅田でレンタカーを借りて飛ばしてきたのに、
警察車両の中で事情聴取を受けたりしていたら、氷ノ山の麓に分け入る頃には
10:40。ぅ゛おい!


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そして周辺を走っていても、山脈のように山がちな連なりが続いていて、
どこが氷ノ山なのか全くよくわからない。
師匠に聞くと「だいたいこのへんは氷ノ山でおK」らしい。そうすか…


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雪山装備に身を包んで、11:10、ようやくスタート。

それらしい「わかさ氷ノ山スキー場」「氷太くん」付近で車を停めるが、
登山口の場所がよくわからない。ぅ゛おい!


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先ほどの事故で若干の心神喪失にある私に、読図の能力はろくに残されておらず
こんな日に限って時計までも調子がおかしく、方位磁石が表示しない。おい!
ルートの修正にかなり手間取り、スキー場をまっすぐ横断。


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スキー場オープンには2週間ほど早く、施設は雪をかぶって寂しく静まり返っていた。
ざくざくと歩く音だけ聞こえる。


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もちろん、リフトは止まっている。
天候があやしい上に、時間も11時半になろうとしている。同業者もいない。
不吉だ( ー_ー)” びゅううう。


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美しいのだが、その空はまるで真綿で首を締め付けるように、冷たい風を吹き下ろす。
そして時間は刻々とすぎてゆく。


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2本のリフトの位置から何となく仙谷登山口の場所を割り出すが、「アルパインヒュッテ」なる施設から
その先が分からない。
ばらばらに行動してややこしくなる等、さらに不吉な状況になるが、何とか登山道に続く道を確認。


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11:53、仙谷登山道入り口。

( >_<)ノ やった! 登山口に ついた!


小一時間も登山口に辿り着くまで軌道修正とルート確認させられるとか、鬼である。
これは昭文社の地図がかなり大雑把だったのも要因に挙げられる。
せめて最寄り施設「アルパインヒュッテ」の名前を明記しておいてほしかった。


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標高1,510m。
急峻な沢登りコース。
言いたいことはそれだけか? では、こちらからゆくぞ!
しねい!
(初期FF調で)

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まずは理路整然と整備された杉林。


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12:23 標高980m地点。
看板、柱、ベンチなど目印が数十mおきに現れるため、目を凝らしていれば道を見失わずに済む。
しばらくは川沿いを歩く。

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本当に助かる赤丸マーク。
雪の中で遠目に視認できた瞬間、正解フラグが立って、その先に進めるようになる。
まさにリアルRPG


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時間が許せばもっと凍てついた木々と語り合って遊ぶのだが。
雪山は神秘的な、未知の裏ワールドで、
見慣れたものが一変していて、輝いている。


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12:35
土に埋もれたオームのような地形。
雪の深さはせいぜい10〜30?。まだ駆けるように進める。


ルートがある程度判別できる上に、足元が凍っておらず、標高も低い。
非常に安全な冬山で、まさに道場。
しかし迫力というかデザインの作り込みはかなり凝っていて、風格がある。
氷ノ山は初期ボスとしては非常に優秀。


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いてついた かいだん。

極寒の厳しさを醸し出しているが、実際には歩いているため、そこまで寒くはない。
むしろ事故車両を路肩に停めて、警察が来るのを待っている時の方が遥かに寒かった。
「攻撃は最大の防御」とはまさに真実である。


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12:38 枝分かれしたもう一本の川へ。
GPSの地図情報と、昭文社の地図とが微妙に合っていない。
ルートが不鮮明になる雪山では致命的だ。


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メジャーな山だからか、この種の看板、あるいは木に付けられたマル印、ピンクや青のビニールリボンが頻出する。
「直登は美学」などと直登原理主義を自負していると、とんでもない目に遭う。
目印が見えなくなったら、見えるまで探すようにしたい。


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12:47 道が途絶え、目印も尽き、そろそろ眼前の巨大な崖を直登か?と思った矢先に。
こういうケースもあるのだ。
積雪がまだ浅くて助かったが、本格的に埋まっていたら直登でごり押ししていたと思う。
ここで10分弱迷った。
ぬう( ー_ー)


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とは言え、さすがは雪山、小一時間も歩けば、お手軽要素もなくなってきた。
とりあえずこの沢に沿って上へ上へと歩いていれば、稜線に辿り着く。
雪山の利点は、多少の凹凸なら覆い隠してくれるので、強行突破が効くようになる点。
しかしルートをきちんと押さえるのが原則なので慎重に目を凝らす。


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中盤の難関ダンジョンめいた風格が随所にあふれてきた。
FF2で言うなら既にディストや闘技場は過ぎているか。ミシディアの洞窟〜リバイアサンぐらいの香りがする。


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12:55 もともと不安定だった気候がさらに怪しく。
妖魔の笑い声のように風がうねり、空は不吉な灰色に


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13:27 頂上まではまだまだ、中間地点をやっと過ぎたかどうか。
雪が深くなってきた。斜面では腰まで埋まるところもある。
ルート確認にしばしば立ち止まらなければならず、タイムロスが大きくなってきた。
しかし手を抜いてはいけない。
時間ばかりが経つ。



13:32 肉厚の氷からできた崖に差し掛かった。
こんな崖は見たことがない。岩よりも固く締まった氷が
ぎちぎちに光っている。
どれほど冷やされればこうなるのか。



カーン!
ピッケルは弾かれる。
見事だ! カーン! カーン!


※ルートではないため登りません。回避。



13:44、ようやくクサリ場に。
これは地図にも明記されており、よい目印になる。
自分がどこまで来たのか、ここからまだどれだけ行かねばならないか。


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13:59
出来る限りはチャレンジしたいのが心情だが、稜線もまだ全く見えないうちに
14時を回ってしまった。
昼食を摂って、大休止となると30分。
稜線に出るのにこのペースで、さらに雪が深まればあと1時間か。


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夕暮れから闇に転じるのが17時過ぎなら、残りは2時間半しか使えない。
もう引き返さないと危険だ。


(´ `) めしにしよう師匠。
    めしだ。


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コッヘルの炎がうまく点かず、また、じっと座っているだけで
全身から熱がどんどん奪われていく。
レインウェアの上を着て風を遮断し、下を尻に敷いて座る。

そしてひたすら、サービスエリアで買っておいた菓子を、狂ったように食う。
寒くて仕方がないとき、その要因には、疲労と空腹が挙げられる。
食わねば( /・o ・) 煮炊きを待っていてはいけない。


食ったら下山だ!さっさと下山!
後編へ続く!
★Link http://mareosiev.hatenablog.com/entry/20121209/1356235960