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写遊百珍

関西をメインに、美術館・アートイベント、登山、廃墟、珍スポットなど珍奇なものをご紹介。

北野異人館

6/25 北野異人館に行ってきました。
あつかったです。



目的は「サターンの椅子」。(サトゥルヌスの椅子)
昨年、TV(世界仰天ニュース)で紹介された「願い事をかなえてくれる椅子」です。



確か、忙しすぎる仕事を辞めた27歳独身の女性が、自分の時間を持てたものの、転職先は何も決まらず、恋人もいないし、もうすぐ30歳だし、先の見えなさに憂鬱に。
気晴らしに一人旅と思って異人館に来ても周囲はカップルばかりで余計に気が滅入ってしまう。
そんな時、受付の女性が、彼女に「願いが叶う椅子がありますよ。行ってみては?」と声をかけた。
そして、就職のこと、恋人のこと、結婚のことを願ったら、それらがことごとく叶ったのだとか。


庶民向けのドラゴンボールかよ。
しかし本当の「サトゥルヌス」を目の当たりにしたら「就職を…」「カレシを…」などと願う気になれるものかどうか?


※サトゥルヌス(wiki掲載の画像より転載)

「わが子を食らうサトゥルヌス」フランシスコ・デ・ゴヤ
伝承によると、「将来、自分の子供に殺される」という予言を受け、恐怖から狂気に取りつかれたサトゥルヌスは5人の子供を次々に食い殺したという。


頭から齧り殺すなんて、シシャモ食ってるみたいで豪壮ですね。
よいカルシウム補給になったんじゃないかな。
( ^ー^)v


んもひとつ、

「わが子を食らうサトゥルヌス」ピーテル・パウルルーベンス
16世紀に既にこの食いっぷり。ゴヤは2〜300年後に描いていることになります。
wikiによると「この絵は後世に修正されており、オリジナルではサトゥルヌスの股間が勃起していた」ということで、


そんな神が宿ってる椅子のことを放っておけるはずもない。
みんなよくホイホイ嬉しそうに願い事しにいきますよね。頭から食い殺されても知らんぞ。


椅子は「山手八番館」の中にあります。
で昨年は全国からも陳情者が殺到し、館から人が溢れて行列が絶えませんでした。真夏の炎天下にも関わらず大の大人の女たちが2時間も3時間も列を作って並び続けていたものです。
ちなみに、そんな大混雑のさなかでさえ、男は行列を尻目に、まるで特別優待客のようにスッと椅子まで通されました。「サターンの椅子」は男女1脚ずつあるのです。座る椅子を間違えるとラブ注入の人みたいになるかもしれないので注意が必要です。


さて今年はいかがな具合でしょうか。


∴すいてました。

観光客は次々に来るものの、4〜5人サイクルで、行列はなく、入場券を買ってするすると中へ入れる状態です。



山手八番館を守護する者。
仰々しい上に筋肉も鍛えてありますが、よく見ると頭に明かりを乗せて両手はフリーだったり、横着なのか賢いのか微妙な人です。
蛇だか龍だか判りにくいものにまきつかれており、噛まれないかも心配です。




これが噂の「サターンの椅子」(サトゥルヌスの椅子)。


サターンと言っても悪魔王サタンではなく、ギリシャ神話の豊穣の神です。
名前がややこしいな。
しかも、サトゥルヌスというのはギリシャ神話のティターン族「クロノス」のことらしいですが、「時間の神・クロノス」とはまた別人物です。おいややこしいな。


椅子の背もたれ上部。
こいつがもしやサトゥルヌスか? ただの姉ちゃんのようでもあるが


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椅子のあちこちに顔やら人やらが埋め込まれている。
以前、RPG実況動画でプレイヤーがラストダンジョン付近に高頻度で出現する異形のモンスターを評し、「顔の多いやつに、ろくなやつはおらん」とぼやいていたことを思い出します。この椅子の造形はまさにややこしいモンスターそのものである。


(´ε` )がっちり願い事してきました。
ゲスな願いですが、何でも言うておくに限ります。商売とか役所でもそうだと思うんですが、とりあえず要求はガンガン突き付けておくべきです。子供を頭からむしり食うようなヤバい神であってもひるんではいけません。ああだこうだと


内容は、まあ、おんなが絶えませんようにとか、表現が異常に素晴らしい領域に到達しますようにとか、美しくなりますようにとか、ひたすらゲスい内容だったので神も呆れてると思います。割愛します。サーセン。


さて、部屋には昔の異人さんが収集した様々な物が展示されています。
骨董品というよりは世界各地の民芸品です。
一つの館に節操もなく仏教やらインドネシア呪術やらが混載されています。一つの館でどれだけ世界各国を浮気するのかと問い詰めたくなります。


サターンの椅子からすぐのフロアに、連作の画が。
世間知らずの若い女の子メアリが勧誘され、娼婦になり、高給を得られるようになるものの、贅沢三昧で身を崩し、最後は若くして死ぬというひどく分かりやすいお話。


死んだ時がすごい。

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20110625/20110625130900.jpg
ただドタバタしているようにしか見えなかったが、プロがこれを実況すると、


「暖炉のそばで肉料理に手こずっている
 知恵おくれ風の子供をご覧ください」


「悲しみの中での場違いな動作、躾不足、
 罪の伝染などを語っているでは
 ありませんか」



(つд`)ありませんか じゃねえよ!
なんか不幸の畳み掛け方がスゲー。
子供の顔を見てそこまで考えなかった。


キャプションの秀逸さは本当に見習いたいほどです。


ラストシーンがこちら。

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20110625/20110625130935.jpg
メアリの葬儀。


キャプションはこちら。


牧師が飲み物をこぼしてるのは隣の女にうきうきしてるから。
おい牧師しっかりしろ。
娼婦の一生でここまで詰め込むとは愉快ですな。



部屋を出て廊下に。見覚えのある人が・・・



ドン・キホーテ&サンチョ!
おまえらいつから守衛になったんだ! 日本管財かよ!


斜め立ちが勇ましい。

2階に上がると、


恐ろしく節操のないデスクライトが登場する。
ラスベガスのそういう感じのホテルに備え付けているならまあ納得するが
ここは北野の異人館だぞ?
やるなあ。



更に節操のない置物。ブッダヘッド。
RPGの敵キャラ以外の何物でもない。ちょっとぺちぺち叩いてやりました
(´ε` )


外に出てちょっとした庭がありますが、奥には茂みがあり、そこにちょうど身を隠すようにして
ブロンズの裸婦が豊満な体を隠して沐浴しているのです。


ヤバい。この奥さんエロい。
ふくよかな腹部とか、けっこうこれはツボな人にはツボだと思う。
エロいのではないか。

また雨天の時にでもお会いしたいですな。



さて、ゲスな願い事も陳情してきた(しかも二回も)ので、あとは軽く回ります。
一館500円ですが、
「山手八番館」「北野外国人倶楽部」「旧中国領事館」「うろこの家」「うろこ美術館」の5館についてはセット入場券があり、2,000円で回れてお得です。


中で必死で撮影でもしない限り、普通の客なら1館2〜30分もあればチャチャッと回ることになり、わりとすぐ終わります。
(※館内は撮影がフリーです)


お次は隣の「北野外国人倶楽部」へ。
昨年に来た時、割とがっつり撮ったので今回は大幅にカットしています。


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紫陽花が上品で綺麗でした。白くすらりとしたこの姿は、西洋の貴婦人といったところか。
シグマDP2xの初陣でもあったのですが、暑い中よく頑張ってくれました。ISO感度100や50で撮れて楽しい。



この館の特徴は、ドレスの着せ替えなどさせてもらえる点でしょうか。
館の中は高級官僚、外交官の部屋といった感じ。誰が来てももてなせるようなゆったりと広い作りです。



洋館と言えば甲冑である。
誰が着用するかは問題ではない。あるか否かが重要である。
しかしこれは無茶苦茶に暑そうな防具であることが分かる。日本の蒸し暑い夏には最悪の組み合わせだ。
などということを噛み締めながら回るのが楽しい。


見どころは、フランスのブルボン王朝(1589〜1830年)に貴族が使っていた巨大な暖炉。今も使えるとか。
そして現代人には小さすぎるベッド。これは身長160cm程度のカップルが使うと丁度良く、180cmの夫婦が使うと盛大に足がはみ出す。妄想してみたがどうもよくない。おれはメルヒェンから排斥されているのだ。ぐすん。


バーカウンターが小粋である。
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20110625/20110625133807.jpg
できたら飲ませてほしい…。
千円ぐらい出すぞ。飲ませてくれ…


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酒ぇ。。。
酒への愛を込めて。



ここでアクシデント。



どこぞの娘さんがドア触ったら、脆くなっていた塗装がパラリッパラリッと落ちた。
脱皮かよ。
近頃の女性はやんちゃで困る、とか言ってた私は、当時の平均的な身長を元に作られている天井の出っ張りに頭をゴチーンし、独りで無言のうちに盛大に悶絶した。しぬかと思った。
人生色々だなあと思った。



次に、更に隣の「旧中国領事館」。
あたまいてぇ。
門のあたりから工事中で、パワースポットと名高い狛犬もなんだかくたびれ気味。


館の特徴については公式HPより引用します。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「中国の政治家・王兆銘 (1883〜1944年)が1940年、南京に親日政府を樹立したとき、中国領事館として神戸に建てた。家具調度品、置物、美術品など中国製で統一され、当時をしのばせる。なかでも美術品は、西周時代の古文化財から、現代の水墨画まで及び、芸術的にも、唯一オリエンタルムードに包まれている。」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★Link 神戸北野異人館ネット http://www.ijinkan.net/index.html


http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20110625/20110625134833.jpg
おっさんキター。
中国と言えばおっさん画ですね。
まあおっさんと言っても皇帝陛下なので、ただのおっさんではない。
味わい深い画だ。いかにも優しくて徳のありそうなおっさんではないか。


展示物の中に古代中国の伝説上の人物について描いたものがあり、そのキャプションが凄かった。


「その頃には、太陽が十五あったそうなのです」
「現在たった一つの太陽ですら、こんなに暑いのに、十五の太陽の暑さは想像を絶するものがあります」
「皇帝は、西王母始め人々の苦しみを取り除くために、得意の弓矢で十五の太陽のうち十四を射ち落としました」


もう俺にはわけがわかりません。


最後のくだりの、「不老不死を皇帝に黙って飲んだ皇后・嫦娥の体は月に飛んで行ってしまい、いつまでも楽しく過ごしたがちょっとさみしかった」というのはますます意味不明で、もう俺にはわけがわかりません。


中国は壮大で困る。



ではラストの「うろこの家」「うろこ美術館」へ。
ここは二館並んでいるのでさくっと入りましょう。


「サターンの椅子」ほどではないけれども、名高いパワースポットとして「ポルチェリーノの猪」があります。



「ポルチェリーノの猪」。


これはなんという猪か。
夜の方もお盛んな熟女が魔法で猪に変えられた後もなお、満たされぬ思いで色々とセックスアピールに余念がないとか、そういうことではないのか?



恩恵の受け方は、はなっつらを撫でることです。

オリジナルの方は、フィレンツェの彫刻家・ピエトロタッカにより製作され、フィレンツェメルカートヌオヴォにあるそうです。
つまりこれはレプリカ…?
じゃあ本当のパワーを受けるには、ここで撫でてもいまいちということ?
えらいこっちゃ(つд`)


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うろこ状の建物。天然石のスレートが美しい。
左の塔がうろこ美術館で、屋内に絵画を展示している。右側は調度品、家具類の展示。
おい屋上のサンタクロースは何だ!女将を呼べ!


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ちゃんと周囲の状況を撮ったのがこれしか無かった。
艶めかしい猪でした。


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真夏のマーメイドは良いとしても、



なぜか乳首のブロンズが剥げている。
乳首は誰もパワースポットにした覚えがありません。
な ぜ 触 っ た し (゛o ゜)


どう見てもいっぱい触ったやろ。誰ですか。




その奥にはまた謎のブッダヘッドがある。当時の異人さんの美的センスは大丈夫か。
これでよく満足したな。



しかも絶妙な位置に一円玉を置いてやがって、なんたる風流。


興奮しっ放し、特にマーメイドの触られ過ぎた乳首に非常に興奮したので、うろこ美術館の古風なクーラーでがんがんに冷房に当たる。ああ涼しい。エコとかとやかく言わない時代の冷房はすごい。

ロシアの誰それとか、知ってそうで全然知らない地味な画が多数飾ってあるのが特徴です。写実とも私小説的ともつかぬ、曖昧な絵画です。それも3階に行くとトリップ感の強い作家の独占スペースになっていて、


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聖書の世界がぐにゃりぐにゃりと迫りくる。
LSDを極めて鑑賞したら凄い怖いと思う。


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デフォルメの顔は基本的にこのパターンで、古き良き時代の新聞の風刺画を見ているようだ。
「カワイイ〜〜」とか黄色い声を上げているご婦人がたがいたが、カワイイだなんて!とんでもない!


作者は堀江優さん、1933.8月の神戸市灘区生まれ。
基本的にこれが続くので、まあほどほどに観ました。



続いて、隣の「うろこの家」。
北野の異人館の中で最初に公開を始めたとのこと。

wikiより、
「明治38年(1905年)頃、神戸旧居留地に外国人向けの高級借家として建設され、大正年間に北野町に移建された西洋館で、後にドイツ人R.ハリヤーの住居となった。そのため旧ハリヤー邸とも呼ばれる」


あ、借家なんや。
へー。



並んでいる家具、置いてある物品のいちいちが人間を埋め込んであって油断ならん。
これがRPGなら全力で技を使って倒さないといけない。戦士が埋まってる家具とか絶対やばい。


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リビングに酒が置いてあったがひたすらヤバい。
美しい。
これってもう変色してる? 舐めてみたいな・・・。
高級な邸宅でウィスキーやワインを舐めるツアーしたい。妄想するだけで興奮します。


ここではマイセン等の食器が名物で、皆さんが喜んで見るところですが、男子は可愛くて主張の強い茶碗や茶器には琴線が動かないので、おとなしくスルーします。むしろ要所要所に仕組まれた化け物に目がいく。



ほらキター。
化け物キター。


橇らしいですよ。いやこれはモンスターです。
食われるぞ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
異人館はそういう具合でした。どういうことや。
サターンの椅子には二回も座って願い事を重ねてきたんでたぶん叶うと思います。たぶん。


その周囲にも有料の館がちらほらあるので、時間に余裕のある人は行ってみてはいかがでしょう。
坂を下ってすぐにウィーンオーストリアの家などがあるが、そこの無人おみくじ売場が

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妙に説教臭い。


つまりおみくじを金払わずに盗っていく輩が頻出したんですね。
あと親を大切にしない輩も散見されたわけですね。
そら大変や。(´ε` )パプー。


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妙にガーリーなメニューで一服しました。
セットで1,200円。
ワインのように見えて、この葡萄ジュースがワイン寸前な味だから、たまりません。


このチョコレート的なケーキが、ここにしかない「インペリアルトルテ」。
元々は正方形なのを半分に切って出しはる。上の模様がハプスブルクの紋章と思われます。


日本国内で恒常的に販売しているのはここだけの様子。



謎になぜか追加注文してしまいました。これは仕方がない。
暑い中で酒も飲まずにやってられるかということ。
このチーズがまた馬鹿のように美味しかった。
ビールが濃厚だったせいかスズメバチが舐めに来て怖かった。


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飲んでばっかで何も撮ってなかったんで
ホイ。
ウィーン・オーストリアの家などにはまたこんど入らあ。
酒だ酒。


あとは下りなので、六甲牧場のソフトクリームなどを舐めながら10分も歩けば、三宮に帰ってこれます。



道中に妙な人もいますが。
腕とか脚のしわがすごい気になる。大丈夫か?




ぬこを愛でたりしながら神戸の北野異人館の旅は終わったのでした。
あとはサターンへの願い事がかなえば完成。
ゲスい。