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写遊百珍

関西をメインに、美術館・アートイベント、登山、廃墟、珍スポットなど珍奇なものをご紹介。

滋賀県廃村ツアー(1)【廃村】(入谷〜落合)

2010.12.30


年の暮れも暮れ、大掃除だの帰省だので世間さまは忙しいが、私だって忙しい。前夜は写真部後輩の家で宴宴宴しており、一部の者が全裸化するなど至極珍奇であった。そして早朝。JR石山駅の前でいつもおなじみ、廃墟仲間の小唄氏、タクちゃんにピックアップしてもらい、滋賀県の奥へと車は走った。


元々の狙いは、滋賀県が誇る「白石鉱山」へのアタックだった。
早朝より行動開始し、昼過ぎには帰還という美しい流れを組んでいた。



(´ε` )ねてた。
どうやら石山→琵琶湖の南端をくぐりぬけて近江八幡八日市を抜けて国道421号線に入っていたらしい。全く知らないうちにかなり山の中を走っている。
鈴鹿山脈の麓まで来ていたのだ。

行きがけの駄賃ばかりにと

永源寺ダム

「コンクリート重力ダムとフィルダムの複合」
公式サイトによれば「左岸側をコンクリート重力式ダム、右岸側をロックフィルダムとする複合ダム」とされている。
左右で違うのか…もっとよく見れば良かった。
高さ73.5m、長さ392m。なかなかのデカブツだ。


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絵になる。
いかにもダムで堰き止めた水、といった色をしている。



最大出力5,000kw。
この規模のダムにしてはやたら少ない。鈴鹿山系の川の氾濫防止と水源確保を主眼として作られたためだ。スケールではほぼ同格の「天ケ瀬ダム」(京都・宇治川)は高さ73m、長さ254mで最大出力92,000KWだ。文字通り桁が違う。


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岸辺がやたら荒涼としている。どうした、天源寺ダム。なにを荒んでいるんだ。
好きだけどな。


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悪くない。
むしろ好きだ。


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ちょっとしたダンジョンぐらいの大きさはあり、男子どもは戦いに夢中となっておるわけです。
むしゃぶりついてまんがな。


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クレーンよ、鈴鹿山脈に何思う。
「ぼくはなにをつりさげたらええんすかねえ」しらんがな( >_<)



おい最重要注意事項がそれかwww
カメムシ乙www

ダムとやり終えたら車を更に山へ。



途中で、生で飲めるステキな水を口にふくむ。
つめてえ。


しかし山道を登るにつれて雲行きが怪しくなってきた。
路面の残雪がどんどん露骨になってくる上に、若干凍っているのである。
軽自動車でチェーン無しだから、調子に乗って深入りすると本当に詰んでしまう。


慎重に走ります。
いかん、酔うた( p_・)~゜グボアァ


はうはう。



登りをピークまで迎えたら・・・

三重県との県境に。
そろそろ近いか?


だが、道路は閉鎖されていた。「崩落の為 絶対に通れません 通行止」といかめしい看板が立ちはだかり、車を通さないようになっていた。どこかで落石か何かあったのだろうか。それ以前に、下り道が雪+アイスバーン化していて間違いなく事故る状況。


なくなく引き返します。


下りのグネグネ道もこれまた酔いを加速させ、たまらないことになってきました。
うえうえうえうえ


緊急停車。

横たわるのはタクちゃん。
筆者はウエウエを鎮静させるのに必死です。


どうにもこうにもならんのだが、相談すると「とにかく横になって眠れば治る」とのこと。
まじかよ・・・
うむう・・・


(ー_ー)zz ぐう。



かなりの時間が経ちました。
あの後、更に別ルートから白石へ向かおうとしてくれたようですが、そちらも凍結で道路閉鎖されており、今回は断念を余儀なくされたとのこと。

このままでは帰れんぞ!
そこで二人が妙案を出してくれた。
「比婆神社」

彦根駅から南東、県道17号線で細い道を行く。
道中の八幡神社付近に「河内風穴」なる洞窟があるが、さすがは珍スポットハンターの二人。既にそんなものは消化済みらしい。


奥へと進むにつれ山はまた深まり、渓流釣りか登山かといった雰囲気に包まれる。
河内、入谷と来て、次の落合へと続くスギ林の中で、謎の集落に遭遇する。



車を走らせていて、こんなものが見えたら、そりゃ停車しますよ。
時間が遠い昔に止まっている。美しく風化したその姿は、私には宝に見える。


(´ε`@)いい村だあ。


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滋賀県が誇る、廃村多発地帯。
いよいよ魔界に入ったか!


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しかし、暗い。
レンズの性能のせいで明るく写っているが、絞りf3.2、ISO1600、1/50秒という厳しい設定で撮った。
こんなところでよく生活できていたなと思う。鬱蒼としている。


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どの廃屋もベニヤ板などで閉ざされており、中には入れないが、様子を覗ったところ、住居ではなく倉庫群のようなものだった。
ということは、
○かつては集落だったが廃村になって物置化した
○入谷または落合の集落の人が使っていた物置
という仮説を立ててみたが、資料を調べていないので何とも言えない。



良く分からんが、「落合」に入っていたらしい?



だが「多賀町大字霊仙入谷」と書かれている。
(ちなみに「りょうぜんにゅうだに」と読むらしい)

落合はもっと奥、「落合神社」のあるあたりの集落だろう。
詳しい周辺調査まではしていなかったが・・・


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露に照らされて光を帯びる。



かまど? 焼却炉?


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概ね外観が保たれているものの部分的には倒壊し、撤去されています。
しかしまあ、あばら家だ。住みたくはない。
物置説が有力です。



苔むして過ぎ去る時の流れを思う。


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生活の断片が垣間見えると面白い。
ヤカンの底が抜けるってどういうこった。



魔界への誘い。
エロスを感じる。木の幹に巻きつけているテープがエロい。紫とはこれいかに。
さて、倉庫群(たぶん)も撮ったし、奥へと進みましょうか。


やたらと細い山間の道をそろそろと走り、
落合の集落へ到着する。そこは、
今も人が住んでいるとしか思えないほどきちんとした家屋が並んでいた。


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閉ざされてはいるが、外観は保っている。


雪がボタボタ降ってきた。
冷え込みも強い。小唄氏がなんと傘を持っていて、貸してくれた。
ありがたい!

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消費税に関する告知?
一体何年前の?


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時を経て良い色に仕上がっています。

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記念写真が色褪せて。

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水が豊かなところで、おそらく山からの水。
凍結防止か、元々なのか、出っぱなしになっている。
夏に来たいなあ。


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霊仙落合荘。
かつてはバスが入ってきて、霊仙山登山口へのアクセスが成立していたようだが、今やバスが廃止になっているようなのだ。
霊仙山へのアクセスは県道17号線の反対側にあたる北側;醒井峡谷の方からといった記述が他サイトで見られた。


「警察捜査中」という一言が穏便でなく、ここで殺人事件でも起きたのか? 選挙法違反のかどで村全体が検挙されているのか?? 現場で色々と勘繰ってしまったが、要は「廃村ぽいけど無断侵入、家捜し等はしないでね☆」という抑止なのだろう。


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おや、神社が近いようですね。


「廃村」と呼ぶにはあまりにも手入れが行き届いている気がした。
数年前に廃村が決定したのか、或いは定期的に元・住民が手入れに訪れているのだろう。
様々なサイトから、答えは後者の方であると分かった。
実際に、冬期は人が途絶えるが、それ以外は割と頻繁に人が来ては手入れをしているとのことだ。


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「落合神社」
Googleマップでは県道17号線の最深部に表示され、この先に道は描かれていない。
だが実はこの先に道があり、「男鬼」(おおり)集落へ続いているのだ。


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暗いわ、雪の粒が大きくてAFが雪にピント合わせやがるわで、一方的に苦戦を強いられてしまいます。
家屋の趣き深さを極めるに至らず悔しい。

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昔は山の木を切り、焼いて炭にして町へ売りに行っていたという。
また、養蚕業などもしていたとの記録もある。
歩いただけでは分からないことだらけです。



雪はどんどん降ってくる。
ひっそりと時間だけが止まっている。


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村民でも出てきそうな勢いですが、この日はさすがに誰もいませんでした。
至るところが苔むしており、梅雨の雨天時に来たらさぞ美しいだろうなあと。


とある民家の入口が開いており、中を覗いてこんにちはすると、
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社員心得( >_<) おつとめごくろうさんっす。
ていうかここからじゃ会社が遠いでしょう。


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哀愁。



なんだかシュールだな、
プランターか洗面台かどっちかにしろwww


また出た( ー_ー)ノ
はいはい捜査捜査。


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どんどん寂寞が深まる。


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滅びた地は何故か心を捕えて離しません。


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有落合。

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寂漠。
奥のウイスキーが泣かせます。


さすがに造花だが、今なお人が住んでいる気配が抜群です。


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時が許せばずっとここに居たい・・・。

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苔と霜と。


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ただ乱雑に荒れているように見えて、何だか気になります。



そりゃそうだ( >_<)
そうこ。

小学校のグラウンドのような敷地があり、そこに建っていたのです。


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雪よ降れ。
やわらかに降り積もれ。


( ゚〜゚ )ノ 


そして我々は落合集落の散策を終えて、次なる最深部;男鬼(おおり)へと向かう。
次回へ続く...

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次回;【廃村』男鬼集落
 http://mareosiev.hatenablog.com/entry/20101230/1345271131