nekoSLASH

ねこが超です。主に関西の写真・アート展示のレポート・私見を綴ります。

【ART】六本木アートナイト2010(2)六本木通り~六本木ヒルズ

【ART】六本木アートナイト2010(2)六本木通り六本木ヒルズ

六本木アートナイト2010レビュー続編でございます。
お次は六本木通り六本木ヒルズを。


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(1)六本木駅到着→東京ミッドタウン→21_21 DESIGN SIGHT
 http://mareosiev.hatenablog.com/entry/20100327/1270306044

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一晩中もアートで身がもつかよ、と行く前は思っていたんですが、
なんだこの物量…。

('o' ) ケッコウナ量ダゼ。




いかに隣接しているとはいえ、施設の規模がバカでかい。
通常の美術館の規模とは、わけが違った。

その上、細かい展示だのパフォーマンスやのが同時多発しているので、手に負えなくなりました。チャリが必要か。
「こりゃ、結構見逃すな・・・」
六本木界隈をうろうろしていて思い知ります。


「21_21 DESIGN SIGHT」でクリスト&ジャンヌ=クロード展を見終わった後。
綺麗な高架歩道橋を戻ります。ミッドタウンのガレリアB1Fアトリウムを覗き込んでみたら、


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328015351.jpg
なんか光が洩れています。
おいしそうな光がよ・・・。いかにもこれはおいしそうだ。


イベント内容はいかんせんよく分からないが、光だけでご飯いけますね。
2杯か3杯はいける。
東京には電力の大量消費を許してあげたい。
そんな心境。



http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328015411.jpg
幻想的な何かをしている誰かを見つけました。
地下フロアの舞台から2Fぐらいまで吹き抜けになっていて、1Fを通ると人だかりができており、
手すりに群がる人々の肩や頭越しに見えたんです。
どうやらDJやっていたようです。
おそらくプログラムは「Taromix(DJ)」です。


次は六本木ヒルズへ向かいます。


1:30頃 路上。
道中、色々と出現します。
外苑東通り→交差点→六本木通りを西へ。
警察署やノースタワーのある通りですが、



「ラピロス六本木」前にもなんか造花っぽいアート作品があったが、
あまりに普通すぎてカット。


アート側の「ポップ感」を、
日常のカオスの方が凌駕していて、作品の方を無視し始める始末。
そのうち、路上に捨てられたマクドの容器や、形のおかしい街灯、はてはポスト等を
これはひょっとしてアートではないか等と勘繰るようになってくる。


まさかの逆転現象!



「ホテルアルカトーレ六本木」の正面右。
白菜が置いてました。



緑の白菜 崔 正化(チエ・ジョンファ)
韓国のアーティスト。


身近なもの(ザルとか、しょうもない小さな玩具とか)を組み合わせてオブジェを作る。
かなりポップな、かわいい作品なので、美術館やアートフェスで目にする機会も多いかと。


まさか白菜オブジェそのまま積んでるとは。
これ飲食店の近くだったら絶対アートとは思わない。
そこが面白いです。
この手の、街中を巻き込んでのフェスになると、「芸術」「作品」と「日常」「商品」との
境目が非常にあやしくなる。
アーティストの作品なのか? 店や商店街側が初めから置いていた品物なのか?



しばらく歩いて、青山ブックセンター前。

http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328020802.jpg
こちらも崔 正化

ポリスが立っている。
いきなりポリスが本屋の前に立っている。
笑みを湛えて。
心臓に悪い。




青山ブックセンターの隣が麻布警察署なんですね。
すぐそばでリアルの警官がいるという。
ガチで仕事してはるわけです。犯罪とか落し物とか。
現実のシステムとせめぎ合う面白さ。偽ポリス量産しようぜ。



Twitterで面白い発言を見つけました。


「この警官、韓国で交通違反を取り締まるために作られた人形なのですが、皮肉にも設置後、突如現れた警官に運転手が驚き、交通事故が増えたそうな。。 その後、撤去されることとなり、チェ・ジョンファ氏の作品として世にお目見えすることとなったわけです。」
(「ABCROPPONGI」11:54 AM Mar 27th webから )

青山ブックセンターの呟きです。
なるほど!



麻布署を越えてその次、「ノースタワー」前。

http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328021027.jpg
ビルの前の敷地に色とりどりのザルが登場する。

「ああザルか」「ほうザルだね」「うむ、ザルだ」「ザルだね。もう行こか」
ひどい扱いしてしまったたがこれも作品です。



http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328021035.jpg
作者はやっぱり、崔 正化
作品名は・・・控えてなかったので分かりません。
この撮り方はいくらなんでもひどいなあ、と思いながら。すんません。。
ザルをザルとしてだけ撮ったという。
ひでえ。



実際は≪みんなでハッピー≫という、自由参加型ワークショップの結果です。
一般の人々を巻き込んでこうなったと。
その全体を見れば意味のある活動だなと分かります。



やっと六本木を象徴する超高層ビル、「六本木ヒルズ森タワー」が見えてきました。



大阪人としては悔しいが、シャープで美しい。
昼間に見るときは言うほどでもないが、夜は見違える。



タワーに何が入ってるのかいまいち分かってないが、たぶんオフィスですよね。



http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328021253.jpg
六本木ヒルズ森タワー」。
巨大構造物たまらん。
連続する窓のパターンと照明、たまらん。
至福です。


調べてて分かったこと。
「森ビル」=都市開発、設計などを手掛ける株式会社名
六本木ヒルズ」=「六本木ヒルズ森タワー」を中心とした複合施設。TV朝日、マンションを含む。
「森タワー」=この超高層ビルのこと。


名前って難しいね、。


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328021357.jpg
Maman≫(ママン) ルイーズ・ブルジョア
2002年(1999年)/ブロンズ、ステンレス、大理石
9.27 x 8.91 x 10.23(h)m


今更ながら常設オブジェです。
六本木ヒルズを象徴する大蜘蛛≪ママン≫。
TVで見て、「けっ!」「なんでいなんでぃ」「東京ってえのは、おしゃれ好きかい」などと意味のわからん拒絶を示していた私であるが、
実際に夜のライトの下で見ると、迫力が桁違いだった。
すんません。
みくびってました。
全然温和じゃない。


ニューヨークのグッゲンハイム美術館、ロンドンのテート・モダン等、世界各地にバージョンの違うMamanが存在するとか。
世界各地に大蜘蛛。いいなあ。
そういう人になりたいな。
蜘蛛の子を散らすような人生。
いいなあ。


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328021425.jpg
六本木アートナイトとまったく関係のないところで盛り上がってる私。
蜘蛛すばらしいよ、節足動物って基本的にやばくね?
やばいよー。
グロテスクではなく、何か妙な力がある。


外骨格で、多関節で、多足っていうのは、素敵なことやと思います。
もっと撮りたかった。
次は三脚撮影を。


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328021441.jpg
大蜘蛛と接した時、何も考えてなかったんで、単純に強力なモンスターとしか見ていなかったのですが、
どこか頼もしくさえある。
こちらを襲うというより、護ってくれそうな感覚が生じました。


作者自身の複雑な過去(父親の愛人との同居生活など)から、母親への思慕、愛情を求める深い思いから、蜘蛛が生み出されているらしいです。そうか・・・。それはたいへんだ。。




気を取り直して、森美術館へ入るため奥の方を目指します。
なんか人だかりが。

http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328021623.jpg
カフェでクラブイベントをやっとりました。
「ART NIGHT CAFE」
入場無料、なかなか盛況。
この時間帯はRIP SLYMEのDJ FUMIYARYO-Zが続きでプレイしていた模様。
クラブ活動も力を入れる歳でもないんでスルーでございます。
へぇへぇ。



ガラス天井の大屋根プラザに差し掛かると、ビニール幕で覆われた不思議な空間が。

≪ガーデン≫浅野耕平
ビニール幕越しなのでもやがかかったような写り方です。


一見すると、光の当たる板に色つきの紙を細かく並べて、花園を描いたかのよう。
しかし実際は



ドパアー。


(*゚ー゚)v 上から花園の映像を投射しており、台座の紙きれはそれを受け止めるだけだったんですね。
一定数のギャラリーが中に入り、ドパアーすることで楽しいことに。
映像が変わったりして面白い。



テンションそこまで高くもなかったんで、私たちはドパアーせずに
次に行きます。


その先から紫色の光と、やたら多量のスモークがもうもうとしていて気になっていました。
音はごうごう鳴っていないのでクラブイベントでもない。


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328022450.jpg
酒イベントでした。
サントリー「響」を「ペリエ」で割ったら、シャンパンを思わせるフルーティーな、想像を裏切るおいしさになるという企画。
甘美な刺激がもたらすひととき。
だそうです。


1杯百円。安い。
銘柄は忘れたが、混ぜた最後に香水を振りかけはった。
そして当の本人は酔いたかっただけなので、風味をすっ飛ばして飲んでしまうという。
ウイスキーはストレートの方がうまい」などと空気を全く読まない発言を連呼してしまい
すいませんでした。
てへっ。



何もない石畳の空間をラウンジにするとなると、そりゃ力技になるわけで、
紫の照明×スモークの攻撃力が面白かった。



http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328022851.jpg
見上げれば。



一夜限りのラウンジ。



≪オーロラ’10 Roppongi≫市川武史
ウェストウォーク 南側吹抜け。
「浮遊する彫刻」「オーロラ絵画」と呼ばれている彼の作風。
上から吊るして浮遊させる。
神秘的。
そして巨大。


http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328023340.jpg
もっと長く見つめていたい世界観。
意識して観るというより、じんわり視界に入るぐらいがいい。



http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328023348.jpg
でかいんです。
三層ぐらいになっていて、その間を通路のように縫って、中央の円状スペースに入れる。
作品に触れないように、とのことだが、
微妙に揺れているし、狭いので触ってしまう。
長期間展示は難しいかも。


みんな必死で撮影してました。



もわもわ。
  もわもわ。



http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328023555.jpg

≪遊びに行こうよ!≫ジュー・チュンリン


ヒルズアート上映。
六本木ヒルズ内各所のモニタ、スクリーンを利用しアーティストの映像作品を上映。
普段は案内板として機能しているものを、作品展示に使うのはいい試み。


とか言いながら時間なくて全然見てません( o_o )”
サーセン。



http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/M/MAREOSIEV/20100328/20100328023614.jpg
同様に、案内板。
アートナイト関連の案内と、上の森美術館にて開催中である
六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?」の案内。




次回はいよいよ、例の巨大裸子植物関連オブジェ≪マザーナイト≫を中心とした
≪ビフォア・フラワー≫群。
椿昇をメインに特集です。

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六本木ヒルズアリーナ・椿昇
 http://mareosiev.hatenablog.com/entry/20100329/1270390079